プロフィール

2015年4月27日月曜日

今日の言葉 稽古

石黒ブログを読んで頂けるご縁に感謝致します。


いつもありがとうございます。



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伝説の名医と称される人がいます。


戦後、日本の小児外科の分野を開拓し、
94歳となったいまもなおクリニックの院長として
現場に立つ駿河敬次郎さん。


長きにわたり医師として活躍し続ける
その秘訣は何でしょうか。


また、これまで数多くの患者さんの命を
救ってきた体験を通して掴んだ「人生の心得」とは——。


┌───────今日の注目の人─────────┐


     「谷間に咲く百合のように」


    駿河敬次郎(ノアクリニック院長)

     
     ※『致知』2015年5月号
      連載「生涯現役」より
 

└───────────────────────┘

駿河 おかげさまで勲章なんかも随分たくさんいただきましたが、
   そんなものはこの世の誉れであって、
   病気が治った子供たちやその親御さんの喜びが
   私にとっての喜びでしたね。


それに、ほとんど助からないと言われる
難病の子供を救えた時の喜びは一入でした。


35年前のことですが、タイから生まれたばかりの赤ちゃんを連れた
お父さんが私のところに訪ねてきましてね。


大変難しい病気に罹っていて手術をしても
ほとんど助からないことはすぐに分かりました。


でも僅かでも可能性は残されていたので、
そのことをお伝えした上で手術を行うことにしました。


——結果はいかがでしたか。


駿河 これが何とか成功しましてね、
   無事にタイに帰してあげることができたんですよ。


ところが後日、タイにその子の経過を見に訪れた際に、
私に会ってほしい人がいると言うわけですよ。


それでどこに連れて行かれるのかと思ったら、
タイの宮殿でした。


その赤ちゃんというのは、
タイ国王のお姉さんのお孫さんだったんですよ。
これには驚きました。


実はそのお孫さん、
いまは結婚をしていて子供もいるんです。


ついこの間も家族で私のところに遊びにきてくれました。


——息の長いお付き合いですね。


駿河 これはこの方だけに限ったことではなくて、
   手術をした子供さんの経過は必ず見るようにしているんです。


手術をして切りっぱなしではいけません。
ちゃんと見続けてあげないと。


それに、そうすることでたくさんの子供たちが
成長していく姿を見ることができるので、
それが一番の喜びかもしれません。


お医者というのは、人を愛し人に愛されることが
絶対に必要だと私はずっと思ってきました。


お金持ちでも貧しい人でも区別なく
一所懸命診てあげるには、やっぱり気持ちが大事です。


人を愛し人に愛される人間になりたいと思う気持ちがあれば、
それが自然と行いに出てくると思うんですよ。


——駿河先生の患者さんに対する思いやりの心が伝わってきます。


駿河 そのためには、やはり置かれた場所で
   一所懸命やることでしょうね。


私の母がよく言っていました。
与えられた能力は人それぞれだけど、
自分の持ち場で力いっぱい仕事をすることで美しい花を咲かせなさいと。


私は若い頃には小児外科で花を咲かせようと一所懸命でしたが、
年とともにそれ相応の花を咲かせようと頑張ってきました。


高い山の上に咲く桜はもちろん綺麗ですけど、
誰も気がつかないような谷間に咲く百合の花であっても、
綺麗に花を咲かせればそれでいいんですよ・・・

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致知より



拳立て二十一回です。




今日一日、皆様が無事であることを神にお祈り致します。



押忍 石黒康之

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