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2015年7月18日土曜日

今日の言葉2

本日、二つ目の今日の言葉となります。



☆☆☆

本誌人気連載「日本の教育を取り戻す」から、
本日は文豪・夏目漱石が教師だった頃の
知られざる一面をご紹介します。


漱石の逸話から見えてくる
教師と生徒の関係とは——。


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     「子弟関係はここから始まる」

     占部賢志氏(中村学園大学教授)

    
     ※『致知』2015年8月号
    連載「日本の教育を取り戻す」より


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その生徒は4年生でクラスの級長だった。

初めて教室に入ってきた漱石は赤い靴を履いていた。
だから、「赤靴」というあだ名がつくはずだったのだが、
結局つかなかったそうです。

なぜか。


それは漱石の学力に圧倒されたからだというのです。


漱石はすーっと入ってきて教壇に上がるや、
英語のテキストを開いて読み出した。

そしたら、その発音があまりに見事で
生徒たちはびっくりしたそうです。


その頃のテキストは数学でも何でも原書が多く、
日本人の先生はジャパニーズ・イングリッシュで読むわけです。

ところが、漱石はネイティブに劣らない発音で読む。

これに生徒は圧倒されるのです。



この授業では、続いて級長の彼が当てられ、
読んで訳すように命じられる。

そこで読んで訳したところ、
一カ所だけ訳が間違っていると指摘を受けた。

生徒は、この単語は予習のとき、
字引で調べたもので間違いはないはずですと答えると、
漱石は「では字引が間違っているから、
その字引を訂正するように」と応じたといいます。


こうして生徒たちのあいだには
今度の先生はすごいという評判が立ち、
「赤靴」というあだ名を引っ込めたというのです。


(中略)


これなんですよ。

「この先生すごい」と生徒が感じたところから、
師弟関係は始まるのです。

生徒が何一つ圧倒されるものがなくて、
教育が成り立つはずはありません。

そんなもの、形式は整っていても似非(えせ)教育ですね。



※現場の教師はいかにして教師としての
 技量をのばしていけばよいのか——。


☆☆☆



致知より



押忍! 石黒康之

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