プロフィール

2015年10月18日日曜日

無題

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        「成功への三段階」

    鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役)


     ※『致知』2015年11月号
        特集「遠慮」より
 

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人から不可能だと言われるような
常識外れのことに挑戦しようとすると、
必ずいろんな壁が立ちはだかります。

ドイツの哲学者、ショーペンハウエルは、
何事かをやり始めて成功するまでには
三段階あると言っています。


第一段階は笑い者になる、嘲笑(ちょうしょう)される。


第二段階は激しい反対、抵抗を受ける。


その過程を経て、第三段階にして
成功を遂げることができるというのです。


確かに私もそうした経験を
たくさんしてまいりました。



創業当初は、十分な労働環境を
整えることができませんでした。

それでも社員たちには、
何とか心を荒ませずに働いてほしい一心で、
せめて身の回りの環境を美しくしようと
考えて職場の掃除を始めました。

その活動はたった一人で始めたことであり、
誰に命じたものでもないのですが、
十年を過ぎた頃から一人、二人と手伝うようになり、
やがて会社の枠を超えて全国に広まり、
いまでは北京、台湾、ルーマニア、イタリアなど、
海外にまで広まっています。


ところが掃除を始めた頃には、
「そんなことしかできないのか」と
散々馬鹿にされ、嘲笑されました。

企業研究で当社を訪れたある
有名大学の先生からは
「あなたは社長を替わったほうがいいですよ」と
まで言われる始末でした。


私は、ショーペンハウエルのような
偉大な哲学者でさえ嘲笑や抵抗に遭うのであれば、
自分のような凡人がそういう目に
遭うのは当たり前だと考え、
それに耐えて今日を築いてまいりました。

いまは耐えることの大切さを深く実感しておりますし、
嘲笑や抵抗に耐えられる忍耐心が
自分に備わっていたことを、
本当に幸せに思っております。


仏教に、

「忍(にん)の徳たること、
 持戒(じかい)苦行(くぎょう)も及ぶこと
 能(あた)わざるところなり」

という教えがあります。


持戒苦行というのは、
例えば千日回峰行のようなお坊さんの
命懸けの厳しい修行のことを言いますが、
日々体験するいろんなことを我慢する、
耐えるということは、そうした宗教的な苦行も
及ばないくらいに尊い修行であるということです。


☆☆☆


致知より




押忍 石黒康之

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