プロフィール

2016年2月14日日曜日

今日の言葉 稽古

石黒ブログを読んでいただけるご縁に感謝致します。


いつもありがとうございます。




「君たちは武士道精神のDNAを受け継いでいる。
 だから、何か苦しい場面に遭遇したとしても、
 きっと乗り越えられる」

   ── 服部剛(横浜市公立中学校教諭)
     『致知』3月号より


 * * * * *



服部 この授業では、
「次の手紙は、あるお父さんが
 娘さんに書いた手紙の冒頭部分です」
 と前置きしながら、
 最初にそれを読み上げていきます。


「素子、素子は私の顔を見てよく笑いましたよ。

 私の腕の中で眠りもしたし、
 またお風呂に入ったこともありました。

 素子が大きくなって私のことが知りたい時は、
 お前のお母さん、佳代伯母様に
 私のことをよくお聞きなさい。

 私の写真帳もお前のために
 家に残してあります。

 素子という名前は私がつけたのです。

 素直な心の優しい、思いやりの
 深い人になるようにと思って、
 お父様が考えたのです」


 生徒たちには、このお父さんが
 どんな人と思うかを自由に発表させた後、
 素子さんを抱いている
 制服姿の父親の写真を見せます。

 その父親は植村眞久さんという
 特攻隊員であることを話し、
 特攻隊とは何だったかを説明していきます。

 そして、植村さんが特攻隊員として
 飛び立つまでの記録を丹念に辿りながら、
 この遺書をどういう思いで書いたのかを
 皆に考えさせていくんです。


記者 生徒さんはきちんと
   受け止めてくれますか。


服部 授業をやってみて驚いたのは、
   否定的な受け止め方をする
   生徒はとても少ないことです。

 逆に多くの生徒が自分と
 それほど年齢の変わらない若者たちの
 凜とした生き方に驚き、普段は
 やんちゃな生徒までもがポロポロと
 涙を流しながら聴き入ってくれるんです。

「もっと読みたい。
 遺書はどこに行けば読めますか」

 と聞いてくる子も何人もいますね。


 特攻隊といえば自爆テロのような
 イメージを植え付けられた生徒もいますが、

 特攻隊員は皆、志願兵であること、
 そして祖国や最愛の家族のなど
 大事な人たちを守るために一つしかない
 尊い命を犠牲にして飛び立っていったこと、

 私たち子や孫の幸福を最後まで
 願い続けたことなど、生徒たちがこれまで
 聞いてこなかった事実を話す中で、

 いつの間にか感謝の念を抱くように
 なっていくんです。

 特攻隊に限らず、偉人の話をした後、
 私はよく


「君たちは武士道精神のDNAを受け継いでいる。
 だから、何か苦しい場面に遭遇したとしても、
 きっと乗り越えられる」と話します。


 すると、生徒たちの顔がきりっと
 引き締まるのが分かります。

 自尊感情とは、自分たちを育んでくれた
 国や先人との繋がりを自覚した時に
 育まれるものなのかもしれません。

 



……服部先生が多くの方々と協力しつつ
  独自に作り上げてこられたこれらの授業。

 内容に感動するのはもちろんですが、
 その向こうに見える生徒たちの姿にも
 日本の未来に光を見る思いがします。



致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。



拳立て十三回です。



押忍!

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