プロフィール

2016年2月26日金曜日

備えあれば憂いなし

ミスを想定して対策を立てているか


【訳】

超人的な力を持つ神の知恵があるとするなら
人間にも知恵がある。
鬼神の知恵は人の知恵より上にある。
しかし、人の知恵が鬼神の知恵を
上回ることもあるのではないか。


【書き下し文】

鬼智も亦た智なり、人智も亦た智なり。
鬼智、人智の上に出づ。
人智、鬼智の上に出づる無きこと有らんや。


【解説】

鬼神の智の一つに先が見えるというものが
あります。
私たち人間にはそうした能力はありません。
しかし、この先に何が起こるかを予測して、
それに対してきっちり
準備している人はいます。

いろいろなことを想定して
未然のミスを防ぐのです。
契約が破棄になるとは思わなかった、
地震のあと大津波がくるとは思わなかった、
と言うのではなく、あらゆることを想定して
準備をしておく。

これは未来を予見することと
近いと思いませんか。

東京オリンピック誘致の立役者と
言われているミズノ前社長の水野正人さんは
チームワークの基本は野球の守備の
バックアップだと言われていました。

例えばショートに打球が転がっていく。
その時ライトにいる外野手は一塁の
バックアップに走っているのです。

ショートが暴投したりして
一塁の選手がボールをそらした時に
備えるのです。

誰かがミスをしてもすぐにそれをフォロー
する体制ができていれば、鬼神の知恵をも
凌ぐことができるかもしれません。

イチロー選手は目覚まし時計を必ず二個
置いて寝るそうです。
イチローがインタビュアーに
「なぜ二個置くかわかりますか」と聞いた。

聞かれた人は
「一個だと気がつかないで
寝過ごしてしまうからでしょう」
と答えた。

それに対してイチローは
「一個でも寝過ごすことはありません。
でも、一個しかなくて途中で
電池が切れたら危険だから、
二個置いているんです」
と答えました。

さすがだなあと思ったものです。

電池が切れるのがいつなのかはわからない。
しかし、切れる時は必ずやってくる。
それが重要な時なら大変なことに
なるのです。

日常のそういう細かいことにまで気を使い、
準備をしているのだなあと感心したのです。




『日本人の闘い方』
〜日本最古の兵書「闘戦経」に学ぶ
勝ち戦の原理原則〜

齋藤孝・著 (致知出版社)



致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。



押忍!

0 件のコメント:

コメントを投稿