プロフィール

2016年8月14日日曜日

天からの封書

「封書」を四十までに開け

         (森信三)


※聞き手:『致知』編集長 藤尾秀昭

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——先生は「人間いかに生きるべきか」を
ずうっと求めてこられた。

  先生の言葉に「力」があるのは、
  言葉がその体験に根づいているから
  でしょうが、いかに生くべきかの
  結論は出ましたか。


この世へ送られた、その使命が
なんであるかを解かないかん。
みなそれぞれ神さまから
封書をもらっとる(笑)。


——封書を? ああ、なるほど。
  開けないとわからんですね。


そういうこと。開けることを学問だとか、
宗教だとか、なんとか名前を
つけておるがね。


——言葉との出合いで開ける人もいる。


そうそう。


——なるほど。われわれはこの世へ
  封書を持って送られてきたんですか。


そうですよ。
われわれは自分自身の意志と力によって、
この地上に生まれた人は一人もいない。
結局、大宇宙というか、
壮大無限な宇宙生命によって、
この地上にその生を
与えられているわけです。

ある意味では、神から
この世へ派遣せられたものともいえる。

従って、いかなることが
自分に課せられた使命かを
突きとめねばならぬ。

それがある程度わかりだすのは
人生もほぼ二等分線を
越えるころのようです。

つまりね、三十五歳を中心とする
小十年の間で、遅くとも
四十までにはかなり、はっきりと
その見当をつけねばならぬと
いえましょう。


——三十後半から四十くらいで
  わからなきゃだめだ、と。


ええ、概して、そこでわからんと、
あとになってわかるという人は少ない。
その頃に、少しはにおいをかいでるかね。
とにかく四十前後。

だから、四十二の厄年とはよくいった。
もっと偉人は三十八くらいで、
大体、目を開いている。

中江藤樹先生もそうですし、
王陽明でもそうですし、
ほとんど三十代後半。
その辺で、気づくんですな、人生に。


——すると、先生もやはり四十歳の頃に、
  自分の使命、天から届いた封書に
  気づかれたわけですか。


☆☆☆

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