2019年1月9日水曜日

目的と手段 何のために!

【よし、応援するからがんばれ!】



福岡市長、高島宗一郎氏の心に響く言葉より…


市長になってから、さまざまな改革を行いました。

役所には、少子高齢化にともなって社会保障の経費や公共施設の改修費用が毎年大幅に伸びる一方で、子育て支援などの新たな財源も必要になっているという課題がありました。

そこで、素人の私ではチェックできない分野までしっかりと専門的な目で精査するために、外部の有識者を入れた会議を9回にわたって開催して、「行財政改革プラン」を策定したのです。

これによって450億円の財源不足に対して490億円の財源を確保し、それまでの4倍のペースで保育所を整備し、子ども医療費助成の拡大などを行いました。


もちろん職員数を減らしたり、未利用地を売却したりするなど役所内部でできることは率先しておこないましたが、それだけでは賄(まかな)えません。

使用料を適正な額に上げたり、目的が薄らいだ公共施設を廃止したり、補助金の削減もしました。

こうした見直しを行えば、かならず誰かの痛みがともないます。

恨みも買います。


また「随意契約」という、行政が任意で事業者を選んで契約する手法は、「官製談合」の防止や特定の業者が契約を独占しないためにできるだけ避けるべきとされています。

私はこの「随意契約」の総点検にも着手しました。

このようなさまざまな行財政改革を30代の新人素人市長がどんどんするのですから、おもしろく思わない方も多かったのかもしれません。

ちなみに、ちょうど偶然にも同時期に不審は車が家の前で見張っていたり、役所への行き帰りに車で尾行されたりすることも続いたため、行き帰りをパトカーが先導してくれた時期もありました。

秘書に対して「殺す」という脅しの電話もありました。

こういったこともあり、今では朝、家を出てから帰宅するまでのあいだ、県警のSPが付いてくれています。


さて、日本社会にもっとも足りないダイバーシティは「意思決定走に『若者』がほとんどいない」ことだと思っています。

これは企業でも政治の世界でも同じです。

若い人たちに理想の社会のイメージがあるなら、誰かが行動してくれるのを座して待つのではなく、若い自分たちこそが立ち上がって世の中を変えればいい。


就任したときの年齢は、私は36歳、エストニアのユリ・ラタス首相は38歳。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は39歳、カナダのジャスティン・トルドー首相は43歳です。

とくに日本の地方自治体の場合、議院内閣制の国政とは違い、予算権や人事権を持つ市長や知事は直接、住民の選挙で選ばれます。

影響力を持つために議員として期数を重ねる必要もありませんし、覚悟を持てば誰でも私のようにすぐに挑戦する権利があるのです。


この本を通して、私の経験をみなさんとシェアすることで、全国の若者はもちろんのこと、行政とは関係のない他業種からも、市長や知事に挑戦しようという人が増えることを心から期待しています。

若い首長がスピーディーに各地方を変えていくことこそ、日本を最速で変えていくもっとも合理的な方法だと思うのです。


『福岡市を経営する』ダイヤモンド社




本書の中にこんなエピソードが書いてあった。

『麻生太郎先生とはじめてお会いしたのもこの頃です。

2010年9月17日、面会の場所は友だちの会社の一角を借りました。

想像通り強烈な方でした。

最初のやりとりは生涯忘れることができません。

どかっとソファに座って、あの独特のだみ声、べらんめえ調で唐突にこう聞かれました。

「市長になることが目的ではなくて、それを手段として何をやりてぇかってところが大事なんであって…それでおめぇは、市長になって何がやりてぇんだ?」

私は「福岡をアジアのリーダー都市にしたいんです」と私が目指す福岡市のビジョンを訴えました。

すると麻生先生は、

「ほお、おもしれえ。俺はこれまで政治家のハッタリやホラをたくさん聞いてきたが、おめえめてぇな大きなホラを聞いたのははじめてだ」

そう言って、それまでの厳しい表情から一転して、満面の笑みを見せてくれました。

「よし、応援するからがんばれ!」と言って、その後は若い20代や30代の応援スタッフとも気さくに写真撮影をしてくださり、選挙活動が始まると実際に37ヵ所もの街頭で一緒に演説をしてくださいました。』


また、旧来型の市長についてこう語る。

『たとえば地域の会合にばかり顔を出して、シティセールスに動かない。

決断をしない。

リスクを取らない。

スピードが遅い。

テクノロジーの変化に鈍感。

安全や慣例などを大義にして既得権を守って、イノベーションと変化を阻む。』


どんな組織にしろ、個人にしろ、変化に対応しなければ、時代から取り残され、昔をなつかしむだけのやっかいな組織や人となってしまう。

いつの時代も、若者たちが変化の流れをつくり、新しい時代を築いてきた。

そして、その変化がうまくいった時代(例えば明治維新のときも)は、老人や年配者や先が見える有力者は、変革する若者たちを応援した。


「よし、応援するからがんばれ!」

行政に限らず、様々な組織や会社において…

変化を恐れず、若者を応援できる人でありたい。




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