【これからの社会を幸せに生き抜く教育法】
エスター・ウォジスキー氏の心に響く言葉より…
実のところ、子育ては本当に単純なものだ。
子どもたちが家でも学校でも人生でも伸び伸びと成長していけるような、基本的な原則に立ち返るだけでいい。
わたしは母親として、祖母として、また教育者としての数十年にわたる経験から、人が能力を活かして実りある人生を送るには5つの基本的な価値観があればいいことに気づいた。
日々の生活の中でこの5つの価値観を思い出してもらえるように、頭文字を取ってこの原則を「TRICK(トリック)」と名づけた。
【TRICK(トリック)=信頼、尊重、自立、協力、そして優しさ】
◆信頼 (TRUST)
今、世界中で信頼が崩壊している。親たちは不安を抱え、それが子どもにも伝染する。 人々は自分らしさに不安を持ち、リスクを恐れ、正義のために立ち上がることもできない。
まずは大人が自分を信頼することからはじめなければならない。
大人が親としての選択に自信を持てれば、子どもを信頼でき、子どもに自信を与えて自立につながる大切な経験をさせること ができる。
◆尊重 (RESPECT)
親が子どもの個性と自主性を大切にすることが、敬意のあかしになる。
どんな子どもにも生まれながらの才能がある。
そして子どもは世界への贈り物だ。
どんな才能 であっても、その才能を育むのが親の役目だ。
子どもに、どんな人間になるべきか、どんな仕事に就くべきか、どんな人生を送るべきかを押しつけるのは、親本来の役目とは正反対のことだ。
子どもが自身の目標を見つけることを助け、それを追いかける助けになるのが、親の責任なのだ。
◆自立 (INDEPENDENCE)
自立は、信頼と敬意というしっかりとした土台の上に成り立つものだ。
幼いうちに自制心と責任感を身につけた子どもは、大人になって困難を乗り越える備えができているし、イノベーショ ンをおこしたり創意工夫するスキルも身についている。
真に自立した子どもは、人生につきものの挫折や失敗や退屈に負けない力がある。
そんな子どもは混沌とした世界の中でも落ち着いていられる。
◆協力 (COLLABORATION)
協力とは、家庭や教室や職場で力を合わせるということだ。
親が子どもにできる「協力」とは、子どもを励まして、議論や判断やしつけに子どもみずから貢献できるようにしてあげることだ。
20世紀にはルールに従うことが大切なスキルのひとつで、親は子どもを支配できた。
でも、21世紀には命令しても効果はない。
何をすべきかを子どもに指図するより、子どもの考えを聞いて一緒に解決策を探したほうがいい。
◆優しさ (KINDNESS)
わたしたちは他人には優しさと気遣いを示すことができるのに、いちばん身近な人たちにはそ れほど優しくできないものだ。
親は子どもを愛しているけれど、お互いに慣れすぎて基本的な優しさを当たり前だと思ってし まう。
逆に、優しい振る舞いが世の中のためになると考えない人もいる。
本物の優しさの土台になるのは、感謝と許し、他者への奉仕、そして外の世界への気づきだ。
誰かの人生をよりよいものにすることが、人生における最高の喜びだと子どもに教えてほしい。
トリックの究極の目標は、世の中に責任を持ち、自分に責任を持てる人間を育てることだ。
親として、教師として、また経営者としてのわたしたちの役目は、子どもを育てたり、授業や 事業を運営するだけでなく、人々の未来の土台を作ることだ。
親も教師も経営者も、人間の意識を進化させることができるし、その進化のスピードはこれま でになく速まっている。
◆これからの社会を幸せに生き抜く教育法
娘たちがテクノロジーと医療の分野で有名になり、わたしのジャーナリズムの授業が国内外で 注目されるようになると、わたし流の子育てと教育法が、21世紀が抱える問題への解決につながると感じ、わたしの手法をもっと知りたいという人が増えてきた。
わたし流の教育法に多くの人が共感してくれたのは、わたしのやり方が今の子育てや教育法が 抱える問題へのひとつの対抗策になるからだろう。
またわたし流の子育ては、不安やしつけの問題、親子の力関係、同調圧力、テクノロジーへの 恐れといった、親たちの判断力を鈍らせる要因や、子どもたちに害を与えるような問題の解決に もつながるからだろう。
子どもの感情を親がコントロールできるというよくある思いこみは、大間違いだ。
シリコンバレーで尊敬される小児科医のジャネスタ・ノーランド博士も言うように、「親たちは何がなんでも子どもをいい気分にしておかなければならないと思いこんでいる。子どもの幸せを親の責任だと感じ、幸福をコントロールできると考えている」ようだ。
親はどんなことをしてでも子どもが苦しんだり傷ついたりしなくてすむように力を尽くすと、子どもたちは困難や逆境を乗り越える必要がなくなってしまう。
すると、独立心ややり抜く力は育たず、子どもたちは周囲の世界を恐れ、みずからイノベーションをおこしたり何かを生みだしたりできなくなる。
もうひとつ、親たちが間違っていることがある。
親は子どもに自分のことや成績だけに集中しなさいと教える。
子どもがいい成績をおさめ、一流大学に入り、見栄えのいい仕事を選ぶことを望む。
子どもたちは自分のことに忙しすぎて、どうやって他人を助けたり社会に奉仕したらいいかを考える時間がない。
思いやりと感謝の気持ちは人生で何よりもわたしたちを幸せにしてくれる要素なのに、それは 見過ごされてしまう。
『TRICK ゴッドマザーによる世界一の教育法』文藝春秋
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本書の中に「イノベーション精神にあふれたママ」という3人の娘さんのメッセージがあった。
『母(エスター・ウォジスキー)は人好きだ。どんなタイプの人とでも打ち解けることができる。
母は誰にでも心を開き、新しいことを学ぼうとする。
だから、母のまわりにはあたたかく親しみやすい雰囲気が漂っている。
母は生まれながらの起業家で、変化やイノベーションを喜んで取り入れる。
シリコンバレーが急成長するのと同時期に、母が授業や教室にテクノロジーを上手に取り入れたのは、ただの偶然でもなければ「運がよかった」からでもない。
母はイノベーションが大好きなのだ。
そして、いつも生徒たちから学んでいる。
生徒の直感を信じ、生徒を通じて未来の変化を察知 し、その中で母自身が成長しようとしている。
生徒たちも母を信頼し尊重する。
慣習を変えたがらない大人もいるが、そんな大人はティーンエイジャーとは深く関われない。
母はいわゆる「高齢者」なのに、そんな大人とはまったく正反対だ。
だから生徒たちが母のまわ りに集まってくる。
母が生徒たちに敬意を払い、どんな奇想天外なアイデアでも励ましてくれる のをみんなわかっているからだ。
どちらかというと、とんでもない思いつきのほうが、母にとっては大歓迎なのだ。
70代の母が 意気揚々と(まったく疲れることもなく!)夜更かしして10代の高校生と学校新聞を作る姿に、 わたしたち娘のほうが驚いてしまう。
親として、また教師として、母がすぐれているところは、生徒を人間として本当に理解しようと努め、子どもの興味を上手に見つけて本人をやる気にさせることができる点だ。』
また、本書の目次にはこう書いてある。
■信頼 (TRUST)?自分を信じよう、そして子どもを信じよう
■尊重 (RESPECT) ?子どもは親のクローンではない
■自立 (INDEPENDENCE) ?子どもができることは、絶対やってあげてはいけない/やり抜く力(グリット)をどう育てるか
■協力 (COLLABORATION) ?独裁者にならず、一緒に働こう/子どもは親の言うことではなく、やることを見ている
■優しさ (KINDNESS) ?子どものお手本になって、優しさを拡散しよう/世界をよい場所にできることを教える
すぐれた教育者は卓越した時代感覚を持っている。
そのときどきの最新情報や、新しいテクノロジーについての知識を貪欲に得ている。
つまり、子どものような知的好奇心であふれている。
だからこそ、70歳代になっても若者と話が合い、好かれ、とけこむことができる。
まさに、起業家(アントレプレナー)と同じ資質があるということ。
それはたとえば、「行動力がある」「創造力や発想力がある」「変化を受け入れる(柔軟性がある)」「チャレンジ精神がある」「リスクを恐れない」「常に前向き(ポジティブ)」「好奇心がある」等々。
これからの社会を幸せに生き抜く教育法を身につけたい。
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