以下、致知出版社様メルマガよりシェアさせて頂きました。
*****
約600年前の室町時代に能を大成したといわれる世阿弥。
『風姿花伝』や『花鏡』などの著書を残し、約600年前の室町時代に能を大成したといわれる世阿弥。
その言葉や教えはいまなお多くの人の心の糧になっています。
世阿弥の残した言葉や教えを、
明治大学学長で長年能楽のプロデューサーとして
活躍してきた土屋恵一郎さんに語っていただきました。
───────────────────
(土屋)
「初心忘るべからず」は、
一般には「はじめの志を忘れてはならない」
「初志を貫徹する」といった意味で理解されていますが、
世阿弥の言う「初心」は「初志」に限られていません。
若い時の初心、人生の時々の初心、老いて後の初心……
世阿弥は人生の中に幾つもの初心があると言っています。
例えば、若い時の初心とは24~25歳の頃を指していますが、
この頃は若くて心身ともに充実し、
周囲に素晴らしいと認められる時期でもあります。
しかし世阿弥は認められていることが人生の壁であり、
初心なのだと言うのです。
つまり、若い頃の一時的な「時分の花」をずっと続く「誠の花」だと思い、
努力しない人間は失敗する、駄目になるのだと。
そして、中年の初心を経て直面する老後の初心とは、
いまよく言われる「何歳になっても若い時の気持ちに戻って、
いつまでも元気に頑張ろう」という意味ではありません。
老いによる様々な限界にぶつかった時に、
それに応じた自分の生き方、老いの経験をどう活かし、
人生の花を咲かせていくかを考えよと言っているのです。
もちろん現在とは寿命が異なりますが、
世阿弥は40歳を過ぎたら第一線から引いて、
後継者・後進を助けなさいとも言っています。
その例として、世阿弥は……
※本記事は『致知』2019年7月号から
致知出版社様メルマガよりシェアさせて頂きました。
押忍
0 件のコメント:
コメントを投稿