プロフィール

2015年11月16日月曜日

無題

自動車修理工から身を起こし、
「世界のホンダ」を一代でつくり上げた本田宗一郎。

長年、本田氏の薫陶を受け、
大ヒット車シビックやアコードのデザインをはじめ
日本カーオブザイヤー大賞、グッドデザイン賞受賞など
数々の功績を残されてきた岩倉氏に、
ホンダ流の考え方について語っていただきました。


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    「ホンダ流の3つの考えの出し方」

     岩倉信弥(本田技研工業社友)

     ※『致知』2011年2月号
       特集「立志照隅」より
 

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ドラッカーも「考える」ということの大切さを
繰り返し述べていますが、僕は本田宗一郎さんから、
とことん考えて考えて、
考え抜くことの必要性を教わりました。


そしてこの考え抜く姿勢は、
やがて会社の中でシステム化され、我々はそれを
「缶詰」「山ごもり」「カミナリ」と呼んでいました。

「缶詰」は一グループ約十人が部屋に閉じ込められ、
普段の仕事や外界の情報から完全に遮断されます。
よいアイデアが出てくるまで出してもらえず、
家に帰ることも許されない。
その空間でとことん考え抜く。
最長で一か月に及んだこともありましたよ。


「山ごもり」は温泉に行ってこいと言われ、
喜び勇んで出掛けると、その安宿にあるのは
紙と鉛筆だけ(笑)。

仕事に必要なものが何でも揃っている研究所を離れ、
立ち位置を変えることで、
新たな考えを生み出そうという試みです。


最後の「カミナリ」は、目標を引き上げて
頭を切り替えさせる方法ですが、
私たちの頃は本田さんそのものでした(笑)。

本田さんが毎日怒るのを「カミナリ、カミナリ」と
我々は言ってたんですが、怖いから皆逃げるわけです。

ただ、なぜ怖いのかと考えてみると、
カミナリが上にあるからなんですよね。
ジャンボ機でそのカミナリより上に行けば、怖くも何ともない。



結局、本田さんが怒るのは、
経営者として考えているからなんです。
こうしなきゃお客様は喜ばないという発想だから、
考え方が哲学的になる。

一方、こちらはデザイナーとしての視点だけで考えている。
つまり「シンキングレベル」が違うわけです。

だから自分のシンキングレベルを上げるしかないんだと。
カミナリの怖さを克服するために、
体を逃がさず、心で勝っていこうと考えたんです。

そうやって本田さんになったつもりで、
本田さんと同じ視点で考えると、
急に怖くなくなったという経験がありますね。


そう考えてみると、僕がすごいなと思った仲間たちは、
その時は年が若くて、立場も低いんですけど、
常に経営者的視点を持って物事を考え、
後に社長になったり、役員になったりしていましたね。
 


致知より



押忍!

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