君は、無理して立ち向かわなくていいんだ。
学校やクラスにいても楽しくない。
仲間にうまく入れない。
それならそれで、別にいいんじゃないかな。
誰かがつくった世界に
君が入らなければいけない、
ということはないんだよ。
それより、君には、居心地のいい場所で、
自分の好きなことに夢中になってほしい。
何かに没頭することによって、
いやなことが気にならなくなることって、
あると思うんだ。
逃げるんじゃない。
自分から好きな世界を選ぶんだ。
その中で同じ夢を持った友だちに
出会うこともあるだろう。
新しい仲間ができるかもしれない。
ぼくは小さいころ、
体が大きいだけでなく、太っていた。
それを悪く言う友だちが
いたかもしれない。
ぼくはまったく気にならないタイプだから、
コンプレックスを感じることもなく、
ただ大好きな野球に没頭していた。
そのうちに、自然と体も絞れてきた。
もちろんいい仲間とも、
たくさんめぐり合うことができた。
だから君にも大好きなことを見つけ、
自分の夢を持ってほしいんだ。
スポーツが好きな人もいれば、
音楽が好きな人もいるだろう。
何かを書いたり、つくったり。
見ることでもいい。
どんなことでもいいんだ。
大好きなものに出会えたら、
それを大切にして欲しい。
君をいじめている人がいるとしたら、
その人もきっと、
つらい気持ちでいると思う。
だって、人をいじめることが
夢なんて人はいないはずでしょう。
いじめは夢の遠回りなんだ。
その人にも、
自分の夢を早く見つけて欲しいと
言いたい。
後悔するような時間は、
短い方がいいからね。
だから、
いま君が立ち向かうことはないんだ。
松井秀喜
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