「一流とはどういうことか」
志賀内泰弘
ある人が、船井総合研究所の最高顧問・船井幸雄さんに、
「一流とはどういうことですか?」と尋ねました。
船井さんは、こう答えられたといいます。
「例えば、飛行機に乗ったとき、ファーストクラスのトイレを覗いてご覧なさい。
手洗いには水滴一つ撥ねていません。
使った人が後の人のことを考えて、丁寧に拭いてから出てくるからですね。
エコノミー席のトイレと見比べてみるとよくわかります。」
さらに、
「ホテルのスウィートルームでも同じです。
チェックアウトするとき、スウィートルームのお客さんは、まるで使っていないかのようにベッドの掛け布団を元通りにして部屋を出て行きます。
それが、一流ということなのです」
この話を聞いて、ハッと思い当たることがありました。
飛行機のビジネスクラスを利用して、オーストラリアを旅した時のことです。
帰りにシドニー空港の待合室で出発までの時間を過ごしました。
この空港には、ビジネスクラスとファーストクラスのお客様専用の待合あります。
そこには飲み物の他、サンドイッチやフルーツなどの軽食が用意されていました。
「何か美味しそうなものはあるかな」
とビュッフェを見て回っていると、一人の女性がツカツカと私の方に向かって歩いて来ました。
正直、ドキッとしました。
自慢じゃありませんが、英語にはからきし自信がありません。
相手は、五十歳くらいでしょうか。
いかにもイギリスの貴婦人というような出で立ちで高級品を身にまとっていました。
映画でいうなら、「マイフェアレディ」のオードリー・ヘップバーンのイメージでしょうか。
歩き方一つとっても優雅な雰囲気を醸し出しています。
彼女は、私の目の前で立ち止まりました。
すると、テーブルのナプキンを一枚手に取るなり、スッと屈んだのです。
そして、床に落ちいていた「何か」を拾ったのでした。
その「何か」とはキウイフルーツでした。
誰かが取りそこなって、落としてしまったのでしょう。
驚いたのはその後です。
彼女は、床を何度もキュキュッと音をたてて拭いた後、そのべとべとしたナプキンを自分の上着のポケットに何気なく仕舞ったのです。
一流とはそういうことなのですね。
大企業の経営者だから一流なのではありません。
お金持ちだから一流なのではないのです。
日頃の振る舞いが一流だから、成功を手にしているのです。
呆然とする私の顔を見て微笑んで一言。
「イッツ・デンジェラス」
いくら英語オンチでもそのくらいは理解できました。
目の前に落ちいていたキウイフルーツに気づかなかった私は、返す言葉もありませんでした。
FB志賀内泰弘さん
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※陰徳という言葉があります。
人が見ていようが見ていまいが行う徳のことです。
金の有る無し、有名無名など関係なく、そういうことが出来る人が本物の一流ということなのでしょうね!(^_-)
シェアさせていただきました。
押忍
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