イマジナ社長、関野吉記氏の心に響く言葉より…
お客様が、「この企業(ブランド)はすごいんじゃないか」と思ってくれる仕組みをつくることがブランディングです。
例えば、ルイ・ヴィトン。
下地にビニールクロスを貼り合わせたルイ・ヴィトンのトランクは、世界で最もコピー商品が多いともいわれており、数々の逸話に彩られています。
金塊を運ぶときに破けなかったとか、タイタニック号が引き上げられたときにトランクの中が濡れていなかったとか…。
真偽のほどは問題ではありません。
お客様がブランドに対して「勝手に良いイメージを持つ」という点が大事なのです。
例えば、リッツ・カールトン。
この世界的なホテルチェーンは、部屋の匂いにもこだわっています。
優先順位が決して高くない匂いにすらこだわるということは、ベッドや食事や清掃に関してはそれ以上に気を配っているのではないかと、お客様にイメージしてもらうために、匂いにフォーカスしてブランディングしているのです。
お客様に良いホテルだとイメージしてもらうために、設備からサービス、社員教育まで一貫してベクトルを合わせていくのが戦略なのです。
企業理念をつくる際には、企業が一番大事にする想いを未来視点で構成する必要があります。
現状視点でつくってしまうと、今以上のステークホルダーを集めることはできません。
この先、どういう人が集まってきて、どういう組織をつくっていって、どういう風に社会で存在意義を出していくのか、それを考えるの未来視点です。
自分たちの存在意義を語ることが企業におけるフィロソフィーです。
経営者や社員は、企業の存在意義を語れるでしょうか。
自分たちが何を社会に提供しているのか、何を社会に表現しているのか、語れるでしょうか。
企業の存在意義とは、お客様が喜んで消費や投資をしてくれる理由です。
その理由が明確でないと、自分たちが売りたいものだけをつくってしまったり、お客様からそっぽを向かれる値付けをしてしまったりしがちです。
『ブランド力』日経BPコンサルティング
関野氏は「インナーブランディング」について、本書の中でこう語る。
『今後、企業の経営戦略とブランド戦略は一体に考えていかなければなりません。
商品やサービスはもちろんのこと、良い人材を集めるためには、人事評価制度や福利厚生などのインナーブランディングも、ブランド戦略の一環として考えなくてはいけません。
例えば、我が社は何のためにこの福利厚生に取り組むのか、リクルーティングや人材育成は、どういう形なら我が社の企業理念に即しているのか、突き詰めて考える必要があります。
単に世の中や社員が求めているからといって、それをそのまま提供したところで意味がないのです。
なんとなく「他社がやっているから」というのでは、優秀な人材は集まらなくなっているのです。
商品提案も人材育成も、なんとなくやっている企業には、なんとなく買ってくれるお客様と、なんとなく入ってしまったスタッフしか集まらない時代なのです。』
「インナーブランディング」とは、企業が社員にブランドの意味や経営理念について浸透させ、価値観を共有するための活動のこと。
それに対して、「アウターブランディング」は顧客向けのブランディングのこと。
本質的には、社員に対するインナーブランディングがきちんとできなければ、顧客に向けたアウターブランディングはできない。
インナーブランディングの浸透に力を入れたい。
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押忍
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