「山のような仕事に立ち向かうには?」というお話です。
師走の仕事も大詰めとなり、忙しい日々を過ごしているのではないでしょうか。
そんな、山のような仕事に立ち向かうにはどうしたら良いのか?
中村天風さんのお話よりご紹介させていただきます。
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昔の話ですが、徳川三代将軍家光のお指南番として有名な初代の柳生但馬守。
まだあれだけの使い手にならないときに、禅の坊さんで有名な沢庵禅師に、こういうことを聞いた。
「一本の刃が目の前に現れたときは、どうやら日頃会得しました剣の道であしらうことができます。
なれど、三本、四本、五本と数多くの剣が目の前へ一時に出てきますと、いかにともあしらいかねるような気持になります。
一体かような場合に、いかなる心構えが必要でございましょうや」
その質問を受けたときに沢庵禅師が、
「いとたやすいそれはお訊ねじゃ。一本も数本も同じこと。一本、一本あしらいなされ」
と、こう言ったっていうんだ。
つまり、沢庵禅師の言った言葉は、一本出たって、五本出たって、あしらうのは一本一本だから、一本をあしらっているときと同じように、一本一本をはっきりあしらえばいいじゃないかと、こういう言葉なんです。ね。
だから、どんな山のような仕事ができちゃったって、一時にそれをしようとするから、まごついちまうんだろう。
やっぱり片っ端から、パキパキ片付けていくよりかは、手はないんだもの。
その心得がありゃ、どんな場合にも、急ぎもあわてもしないで、そして傍から見たらば、よくまああれだけの忙しい仕事をやってるなと思うような、用の多い仕事をするときでも、どうにもしょうがない、なんていうことは、決してそういう人間は心の中に感じませんわね。
(「心を磨く 中村天風講演録」PHP研究所より)
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山のような仕事をこなしていくには、結局のところ一つひとつの仕事に向き合うしかないということです。
そして、ただ忙しいだけでは、文字通り「こなしていく」だけになってしまいます。
アメリカの作家"ヘンリー・デイヴィッド・ソロー"はこう言います。
「忙しいだけでは十分でない。
アリだって忙しい。
問題は何をしていて忙しいかということである」
つまり、「10年の経験」があるのか、それとも「1年の経験を10回繰り返した」だけなのか・・・。
毎日経験していても、向上しないことはあります。
歯磨きが1年前より上手くなっていますか?笑顔が1年前より素敵ですか?字は上手くなりましたか?
おそらく、日常で何気なくしているものはすべて、向上しません。
意識しないことには変わらないのです。
正しい歯を磨く方法をネットや本で調べて実際にやってみて、初めて少し歯磨きが上達します。
笑顔を良くしようと、鏡の前で練習したり笑顔が素敵な人に憧れたりして意識することで、笑顔が素敵になっていくのです。
無意識でやっていることのほとんどは、今以上に良くはならない。
ではどうしたらよいのか?
それは、子供のように好奇心や興味を持って、何事もワクワクと取り組んでいったら成長します。
「あーなんだ、こんなもんか・・・」「それは前に聞いた・・・」といった心境だと、伸びるチャンスがあっても伸びないでしょう。
そう思っている人が、1年の経験を10回繰り返すのです。
毎日同じような仕事をしていると思ってしまうときもあるかもしれない・・・けれど、それを興味をもって楽しむのか、つまらなくやり過ごすのかで人生は変わります♪
子供のような好奇心を取り戻し、忙しいなかでも成長していけたらいいですね(^^♪
※魂が震える話より
シェアさせて頂きました。
押忍
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