【問】
親方は、算盤勘定に細かい人で、
蓄財することを好み、
散財することは嫌いだ。
着飾って身ぎれいにする
奉公人は気に入らず、
倹約して見苦しい恰好をした者を
歓迎するが、その一方では、
気に入らないといって給金を
下げる場合もあれば、
下げない場合もある。
このように辻褄が合わないことは、
どう考えたらよいのか。
【答】
あなたの親方は世間の
お手本となるべき人だと、
つくづく感心する。
一般に、下々の者はいうに及ばず、
軍勢2万騎を率いるような
大将であっても、「戦術」という
算盤勘定にうとくては
攻守にも陣立てにも
失敗するだろう。
そもそも、商売人たる者、
算盤もわからずに
何で計算するというのか。
奉公人を雇い入れるにしても、
「この手代の給金は金10両(約80万円)、
こちらは金5両(約40万円)、
この下男には銀100匁(約8000円)、
あの下男には銀50匁(約4000円)
というように、人によって
支払う金額が変わってくる。
雇ってからは、働きぶりを見て、
仕事がよくできる者には
給金を増やさないといけない。
人を見る目があれば、
雇った者の中から手代になる者が
何人も育つだろう。
◎経営の神様・松下幸之助の座右の書
『石田梅岩「都鄙問答」』
(石田梅岩・著、城島明彦・現代語訳)
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