「新入社員でも意識は社長になれ!」
松下電器産業(現・パナソニック)の
創業者・松下幸之助の訓話は
刺激に満ちていたといいます。
長年、松下氏から直接薫陶を受け、
松下電器と松下政経塾で活躍した
上甲晃氏の土台となった経営の神様の教えとは?
昨日に引き続き、その逸話をご紹介します。
致知出版社の人間力メルマガ 2019.4.30
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上甲晃(志ネットワーク代表)
※『致知』2018年8月号
※連載「20代をどう生きるか」
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別の日の研修で、松下幸之助は
仕事をする上での二つの心構えを説いた。
それもまた、私の社会人生活の
基本的な心構えとなった。
「君らの立場は一新入社員やな。
しかし、意識は社長になれ」
新入社員とかサラリーマンだと思って働いていると、
意識まで雇われ人、使われ人になってしまう。
だが、社長の意識になると、
同じものを見ても景色が違ってくる。
松下電器製のネオンの一角が消えていたとしよう。
一社員の意識だったら消えていることに
気づきもしない。
万一気づいても「消えてるな」としか思わない。
無関心である。しかし、社長だったら絶対にこう言う。
「おい、うちのネオンが消えとるぞ。直せ」
と。つまり、当事者意識に変わるのだ。
その日以来、私の意識はずっと社長だった。
経営方針発表会の前日には、
誰に言われたわけでもないのに、
もし自分が社長だったら
どんな方針を発表するかを考え、
それを書いて当日に臨んだ。
そうすると、
「なるほどな。社長はいまそんなふうに考えとるんか。
そういう見方もあったか」
と自分との差に気がつく。
ただ受け身で社長の話を聞き、
ノートに写すだけでは得られない学びである。
あるいは、松下幸之助が現場視察に訪れた時など、
大抵の人は畏れ多くて二歩も三歩も後ろに下がるが、
私は逆に松下幸之助の後ろにピタッとつき、
何を質問するか、どんなことを指摘するか、
どこを見ているかを徹底して研究した。
胡麻を擂るわけでも何でもない。
その一挙手一投足から経営者としての物の見方、
考え方を盗み取ろうと必死だったのである。
致知出版社様メルマガよりシェアさせて頂きました。
押忍
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