現実に行動しているか
【訳】
死とは何か、
生きるとは何かということを
説明しようとしても、
そんなことはわかるわけがない。
死や生を一度忘れて、
死すべき地と生きるべき地のことを考えろ。
【書き下し文】
死を説き生を説いて、
死と生とを弁ぜず。
而して死と生とを忘れて、
死と生との地を説け。
【解説】
要はぐだぐだと訳のわからないことを
言っていないで、さっさと仕事をしろと
いうことです。
死と生の問題を、成功と失敗とに
置き換えるとわかりやすいかもしれません。
成功とはどんなもので失敗とは
どんなものか、成功するか失敗するか、
頭で考えているだけではわからない。
つまり実際に体験してみなければ、
行動してみなければ本当のところは
わからないということです。
私も時々テレビのクイズ番組に出ます。
家で寛ぎながらそうした番組を見ていると、
ほとんどの問題に答えられます。
これなら余裕だ、大丈夫だと思って
クイズ番組に出演するのですが、
いざテレビカメラの前に座ると、
思ったように答えられないのです。
自分が体験してみないと
大きなことは言えないものだと気づきます。
物事もこれと同じです。
失敗するんじゃないかと恐れていないで、
まずはやってみる、
チャレンジしてみるのです。
失敗をしてみて初めてどうすれば
成功するかがわかることも多いのです。
成功している人は、
それ以上に失敗した経験があると
言ってもいいかもしれません。
大事なのは失敗を
そのまま放っておいたり、
心の傷とせず、次の成功のヒントに
していくことではないでしょうか。
ある有名な作詞家が
「ヒットした曲が多いですね」と言われて、
「まったくヒットしない、
皆さんが知らない曲が
ものすごい数あるんですよ」
と答えていました。
いきなり一つ書いてヒットしたわけでは
ないのです。
どうして世の中に
受け入れられなかったんだろうと考え、
試行錯誤しながら
次の曲を考えてきたからこそ
ヒットにつながっていったのでしょう。
ビジネスの世界も
その繰り返しかもしれません。
まずチャレンジしてみてダメだったら
いかにやるかを集中して考え、
修正する。
現実にぶつかって
実際にやってみないことには
決して出てこない答えだと思います。
頭で考えるだけでなく、
現実に行動しているか、
そういった問いかけを
常に持っていることが大切なのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『日本人の闘い方』
~日本最古の兵書「闘戦経」に学ぶ
勝ち戦の原理原則~
齋藤孝・著 致知出版社
致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。
押忍!
0 件のコメント:
コメントを投稿