■「"養生訓"に学ぶ生きる力の養い方」
祖父江逸郎(長寿科学振興財団理事長)
(祖父江)
益軒は、飲食についての心得に多くの紙幅を割いています。
「飲食は生命の養分である。だから飲食の養分は人生の毎日でいちばん必要なもので、半日もなくてはならない。しかし飲食は同時に人間の大欲で、口や腹の好むところである。好みに任せてかって気ままをすると、度をこえて、かならず脾胃をそこね、いろいろの病気をおこし命をなくす」
「人生は毎日飲食しないということはない。いつも慎んで欲をがまんしないと、度を過ごして病気になる。古人は『禍は口より出で、病は口より入る』といった。口の出し入れはつねに警戒しなければならない」
「珍しいものや、おいしいものに出あっても八、九分でやめるのがよい。腹いっぱい食べるのはあとで禍がある」
飽食の時代を生きる現代人には耳の痛い言葉です。その人の健康状態は平素の生活習慣によって大きく左右されることは、近年広く知られるところとなりましたが、とりわけ食事の摂り方は重要です。
毎日毎日の積み重ねが人生であり、そのリズムを崩さないためにも、食べ過ぎに注意し、腹八分を心掛けることが大切です。
※月刊『致知』2015年7月号より
致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。
押忍!
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