【秘密の「かけ声」】
朝日大学経営学部准教授、藤野良孝氏の心に響く言葉より…
みなさんは、ビンのフタが固くて飽かないとき、「グゥーッ!」といった声を出しながら力を入れたら開いた、という経験はありませんか?
私たちは力を入れてふんばりたいときによく声を出しますが、あれは実に理にかなった行動です。
私は、「グゥーッ!」という声を出したとき、出さないときで、握力を測定する実験を行ったことがありますが、実に10人中8人が、声を出したときのほうが握力がアップしていました。
実際、かけ声によって最大限のパフォーマンスを実現しているトップアスリートは大勢います。
ハンマー投げの室伏広治選手がハンマーを投げるときに「ンガーッ」と声を出しているところや、卓球の福原愛選手が試合中に「サーッ」という声を出しているところを見たことがあるでしょう。
彼らは声を出すことで力が出たり、リラックスできることを、感覚的に知っているのです。
私は、こうした体の動きと一緒に人々が発するかけ声を、主に「スポーツオノマトペ」と呼び、研究を重ねてきました。
もともと「オノマトペ」とは、「擬音語」と「擬態語」のことです。
これまでオノマトペの研究を続け、アスリートや一般の人々を対象にさまざまな調査・実験を行ってきたところ、私は、こうしたかけ声が想像以上に私たちの脳と体にプラスの影響を与えていることを目の当たりにしてきました。
かけ声を言いながら体を動かすだけで、暮らしの悩みがズバッと解決したり、自分をいままでより上手にコントロールできたり、スポーツや趣味の苦手を克服することもできます。
さらに、人間関係をスムーズにすることだってできるのです。
例えば…
《ガマンでききない空腹感や食欲を抑えたい》
やり方は簡単。
「モグモグ…」とつぶやきながら、何かを食べているような感覚で、しばらくの間、あごを動かすだけ。
声を出しにくい状況なら、心の中でつぶやきながらあごを動かすだけでもOKです。
この方法は、あごを動かすことで脳をだまし、疑似的に心と体を「何かを食べている」という状態にしてしまうのです。
"噛む"という行為そのものが満腹中枢を刺激することは、科学的に証明されています。
結果的に、口の中に唾液が出てきて、空腹感がすーっとやわらぎます。
《一気にやる気や自信を高めたい》
天皇陛下の執刀医で、心臓手術の名手として知られる順天堂大学の天野篤先生は、「ヨッシャーッ!」と叫んで、自分に気合を入れてから手術にのぞむそうです。
心と体を対戦モードに切り替え、やる気と自信を一気に高めるのです。
オノマトペを叫ぶ瞬間、両手で握り拳を作って、ギュッと力を入れてみるのもいいでしょう。
腹式呼吸の効果もあり、余分な緊張がとけ、肝が据わります。
《自然な笑顔を上手に作りたい》
笑顔を作るのが苦手な人は、ぜひ、「ニーッ」というオノマトペを使ってみてください。
このオノマトペは、「当たり前」と感じていても、本当に声に出して実践している人は少ないはずです。
やってみればわかりますが、人間はイの母音を口にすると、必ず口角が上がって笑顔になります。
ですから、頭で「ニーッ」とイメージするだけでなく、小さな声でいいので、実際に口に出してみてください。
また、無理にでも口角を上げていると、表情につられて気持ちも明るくなってくるため、いずれ本当に自然な笑顔も生まれます。
『脳と体の動きが一変する 秘密の「かけ声」』青春出版社
アントニオ猪木の決め台詞「ダーーッ!」もオノマトペだという。
「なんだか疲れたな、元気を出したいな、というときには、高い声で思い切り「ダーーッ!」と叫んでみましょう。
声と一緒に疲れなんか吹っ飛んでしまいます。
特に、片方の握り拳を天に突き上げるイノキポーズをとりながら叫ぶと、より効果的です。
このとき、顔も上に向けて、天を仰ぐような感じにするといいでしょう」(同書より)
元気の出るような「かけ声」。
ニッコリ笑顔がでるような「かけ声」。
楽しい気分になれるような「かけ声」。
あらゆるシーンで自分自身に、秘密の「かけ声」をかけてみたい。
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朝日大学経営学部准教授、藤野良孝氏の心に響く言葉より…
みなさんは、ビンのフタが固くて飽かないとき、「グゥーッ!」といった声を出しながら力を入れたら開いた、という経験はありませんか?
私たちは力を入れてふんばりたいときによく声を出しますが、あれは実に理にかなった行動です。
私は、「グゥーッ!」という声を出したとき、出さないときで、握力を測定する実験を行ったことがありますが、実に10人中8人が、声を出したときのほうが握力がアップしていました。
実際、かけ声によって最大限のパフォーマンスを実現しているトップアスリートは大勢います。
ハンマー投げの室伏広治選手がハンマーを投げるときに「ンガーッ」と声を出しているところや、卓球の福原愛選手が試合中に「サーッ」という声を出しているところを見たことがあるでしょう。
彼らは声を出すことで力が出たり、リラックスできることを、感覚的に知っているのです。
私は、こうした体の動きと一緒に人々が発するかけ声を、主に「スポーツオノマトペ」と呼び、研究を重ねてきました。
もともと「オノマトペ」とは、「擬音語」と「擬態語」のことです。
これまでオノマトペの研究を続け、アスリートや一般の人々を対象にさまざまな調査・実験を行ってきたところ、私は、こうしたかけ声が想像以上に私たちの脳と体にプラスの影響を与えていることを目の当たりにしてきました。
かけ声を言いながら体を動かすだけで、暮らしの悩みがズバッと解決したり、自分をいままでより上手にコントロールできたり、スポーツや趣味の苦手を克服することもできます。
さらに、人間関係をスムーズにすることだってできるのです。
例えば…
《ガマンでききない空腹感や食欲を抑えたい》
やり方は簡単。
「モグモグ…」とつぶやきながら、何かを食べているような感覚で、しばらくの間、あごを動かすだけ。
声を出しにくい状況なら、心の中でつぶやきながらあごを動かすだけでもOKです。
この方法は、あごを動かすことで脳をだまし、疑似的に心と体を「何かを食べている」という状態にしてしまうのです。
"噛む"という行為そのものが満腹中枢を刺激することは、科学的に証明されています。
結果的に、口の中に唾液が出てきて、空腹感がすーっとやわらぎます。
《一気にやる気や自信を高めたい》
天皇陛下の執刀医で、心臓手術の名手として知られる順天堂大学の天野篤先生は、「ヨッシャーッ!」と叫んで、自分に気合を入れてから手術にのぞむそうです。
心と体を対戦モードに切り替え、やる気と自信を一気に高めるのです。
オノマトペを叫ぶ瞬間、両手で握り拳を作って、ギュッと力を入れてみるのもいいでしょう。
腹式呼吸の効果もあり、余分な緊張がとけ、肝が据わります。
《自然な笑顔を上手に作りたい》
笑顔を作るのが苦手な人は、ぜひ、「ニーッ」というオノマトペを使ってみてください。
このオノマトペは、「当たり前」と感じていても、本当に声に出して実践している人は少ないはずです。
やってみればわかりますが、人間はイの母音を口にすると、必ず口角が上がって笑顔になります。
ですから、頭で「ニーッ」とイメージするだけでなく、小さな声でいいので、実際に口に出してみてください。
また、無理にでも口角を上げていると、表情につられて気持ちも明るくなってくるため、いずれ本当に自然な笑顔も生まれます。
『脳と体の動きが一変する 秘密の「かけ声」』青春出版社
アントニオ猪木の決め台詞「ダーーッ!」もオノマトペだという。
「なんだか疲れたな、元気を出したいな、というときには、高い声で思い切り「ダーーッ!」と叫んでみましょう。
声と一緒に疲れなんか吹っ飛んでしまいます。
特に、片方の握り拳を天に突き上げるイノキポーズをとりながら叫ぶと、より効果的です。
このとき、顔も上に向けて、天を仰ぐような感じにするといいでしょう」(同書より)
元気の出るような「かけ声」。
ニッコリ笑顔がでるような「かけ声」。
楽しい気分になれるような「かけ声」。
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