「一生の土台をつくる10年間」
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人生の基礎形成期、
すなわち人間の一生の土台づくりの時期というべき、
この30代の10年間をつらぬく、
最も重要な事柄は何かといえば、
もしこれを一言でいうとしたら、
上に申したような意味における「自己教育」、
すなわち求道的な生活態度といってよいでしょう。
ではこの場合、教えるものと
学ぶものはどうかといいますと、
それはわたくしの考えでは、
「自己以外のすべての人」だと思うのであります。
すなわち、自分の勤め先の仕事、
ならびにその人間関係は申すまでもありませんが、
ひとりそれのみではなくて、
それらの人びとを取り巻いている
この世に生起する一切の出来事は、根本的に考えれば、
それらのすべてが、その人にとっては生きた教材であり、
先生だといってよいでしょう。
勿論そこに、その人の読書の含まれていることは
改めて申すまでもありませんが、
同時に取り引き先の人々との応対の際の
一見ささやかな一言一行といえども、
心ある人にとっては、時には読書などと比べて、
比較にならないほどに深刻な教訓になるともいえましょう。
と申しますのも、いつも申すように、
結局「真理は現実の唯中にある」が故であります……
『森信三 幻の講話』
第4巻18講「人生の基礎形成期」より
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『幻の講話』<全5巻セット>
特製化粧箱入り/分売不可
森信三・著
致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。
押忍!
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