●羽生善治氏の場合……
私はきょうまで将棋を続けてきて、
1つのことに対して10年、20年、30年と
同じ姿勢で、同じ情熱を傾け続けられるのが
才能だと実感しています。
それでも、長い間やっていると
どうしても浮き沈みっていうのはあるんですね。
例えば、朝起きてきょうはちょっとしんどいなとか。
瞬間的なものなら無理してでもできるでしょうけど、
本当の長い歳月となると、どうしても上り下り、
バラツキが出てしまう。
ですから、あまり前のことを
振り返らないでやっていくことが、
長く続けていく上では大切なことなのかな
とは思っています。
つまるところは、自分にできることを
常に精いっぱいやっていくしかないと思います。
結果はどうなるか分からないですけど、
その時、その時に自分なりのベストを尽くすこと。
それでどうにもならないこともありますが、
その時はまた、その起こった出来事に対応していく。
そういうことが大事ではないでしょうか……
(『致知』2017年10月号より)
●井山裕太氏の場合……
自分の場合は囲碁をずっと好きでやってきたわけですが、
そういう気持ちを表現する意味でも、
目の前の一手、一局に集中することは
もちろん大切にしてきました。
対局中だけでなく、
普段どれだけ囲碁のことを考え、
しっかり向き合っているか、
その積み重ねが凄く大事だと思います。
いい時は誰でも頑張れると思うんですけど、
大変な時でも変わらずにそういう姿勢を
持続するということは大事だと思いますね。
そういう意味では、どの世界でも
そこで長く活躍されている方というのは
凄く尊敬します。
自分はタイトルを取り始めてまだ数年ですし、
とにかく棋士として完成しているとは全然思いません。
まだまだ弱いと思います。
ですからそういう尊敬すべき方々を目指して、
とにかくやれるところまでやってみたい
という気持ちがいまは非常に強いですね。
(『致知』2014年2月号より)
致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。
押忍!
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