萩本欽一氏の心に響く言葉より…
世の中に、絶対においしいものなんか、あるんだろうか?
たぶん、ないだろうね。
どんなにおいしいものでも、お腹いっぱいのときに食べたら、大しておいしいとは思わないだろうし、普段はさほどおいしいと思っていなくても、お腹が空いてどうしようもないときに食べたら、こんなにおいしいものがあったのかと感激するんじゃないかな。
だから、絶対においしいものなんか、世の中にはない。
ただし、ものをおいしく食べることはできる。
お腹が空いた状態で食べるのも、その一つ。
気心の知れた仲間と、ワイワイいいながら食べてもおいしい。
自分ががんばって作った料理を目の前で誰かがおいしそうに食べてくれたら、それを見ているだけで、こっちまでおいしい気持ちになってくる。
きっと一緒なんだろうね、人生ってやつも。
絶対におもしろいことなんかない。
同じことでも、状況によって、おもしろかったり、おもしろくなかったりする。
だけど、どんな状況にあっても、ものごとをおもしろくすることはできるんじゃないかな。
要は、考え方一つってことだ。
ボクはこれまで、どうしたらおもしろくなるか、そればっかり考えて生きてきた。
そのなかから、つかんだことや見えてきたものがいくつかある。
人と同じことをしていてはダメなこと、運が逃げていかないようにすること、ものごとをあえて遠くにすること、いいことと悪いことは半々だということ…。
そんなボクだからこそいえることがあるとすれば、おもしろがった人のほうが、人生を面白く生きられるということだ。
おもしろく生きることに、年齢は関係ない。
いくつになろうが、おもしろく生きようと思えば、おもしろく生きられる。
かえって長く生きてきた人、いろいろなことを経験してきた人のほうが、おもしろがるコツを知っているんじゃないかな。
たった一度っきりの人生だもの。
おもしろく生きたほうの勝ちだと思うよ。
『人生はおもしろがった人の勝ち』大和書房
ひすいこたろうさんは、「予祝(よしゅく)のススメ」というコラムで、こう書いています。
『夢が叶うコツは面白がることです。夢って「深刻さ」を嫌うんです。』
予祝とは、まだ成就していない夢や願望を、すでに達成したかのように、前もって祝ってしまうこと。
毎日を深刻に生きている人は、予祝ができない。
軽いノリで、面白がることができないからだ。
そんなことはバカバカしい、と。
「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは心なりけり」 という、幕末の志士、高杉晋作の有名な歌がある。
後の、「すみなす…」は、野村望東尼が付け加えたと言われる。
人生をおもしろくできるかどうかは、自分の心一つ。
人生はおもしろがった人の勝ち。
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