プロフィール

2020年3月27日金曜日

【人生が自分に何を求めているのかを問う】



メンタルトレーナー・心理技術アドバイザー、梯谷幸司氏の心に響く言葉より…


ヴィクトール・フランクルという、有名な精神科医・心理学者がいます。

彼はユダヤ人だったため、第二次世界大戦でナチスの強制収容所に収容されました。

しかし、ドイツ軍が負けたことで、生きて解放されたのです。

戦後、彼は、強制収容所で生き残った人たちに共通点は何だったのかを研究しました。

そして、こんなことを言っています。


「ナチスの強制収容所で生き延びた人々は、自分は人生に何を求めるのか問うのをやめ、人生が自分に何を求めているのかを問うように、考え方を変えて行った」

この言葉の真意は、このように考えるとわかりやすいでしょう。

たとえば、Aさんは、ある企業の営業スタッフとして雇われました。

しかしAさんは、「企画がやりたい」「財務がやりたい」「人事がやりたい」と、頓珍漢なことを言い始め、しまいには「給料が上がらない」「上の人が自分を評価してくれない」と不満でいっぱいになりました。


社長からすれば、「君は営業スタッフとして雇ったんだよ。それなのに営業をしないで企画がやりたい、人事がやりたい、財務がやりたいと言い出した。与えた仕事をやっていないのだから、正しく評価するわけないじゃないか」と思います。

こういうとき、あなたが社長だとしたら、このAさんをどう扱いますか。

「今回のあなたの役割は営業だから。人事とか企画だとか、どうでもいいんだよ。役割を全うしないのなら、給料は上げない。何ならクビにするよ」


人生でもこれと同じことが起きているのです。

「本当の自分」が与えている役割に気づかず、「俺はあれがやりたい」「これがやりたい」と言っているから、収入が上がらない現象が起こります。

とても恐ろしい話ですが、病気になる、事故に遭う、命を落とすというのは、「全然変わる気がしないみたいだから、あなたはクビだ。次の人を雇うから」ということに近いのです。


自分が人生に何を求めているのかではなく、人生が自分に何を求めているのか。

そう問い始めた人がアウシュビッツでは生き残った。

つまり、企画がやりたい、人事がやりたい、財務がやりたいというのは「自分が人生に何かを求めている」人たちです。

そうではなく、ヴィクトール・フランクルの言う「人生」、私の表現で言うと「本当の自分」が、私という存在に何を求めているのかが鍵なのです。


人生というのは、こういうメカニズムなのです。

自分の与えられた使命に気づかずに、頓珍漢なことをやっていると、いわゆる富、情報、人脈など、必要なものは何も集まってきません。

だから、「本当の自分」の記憶を洗い出すことが必要だったのです。


『無意識を鍛える』フォレスト出版




小林正観さんは「使命」についてこう語る。

『「不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句、辛い、悲しい、嫌だ、嫌いだ、疲れた」という言葉を言わなくなって、三ヵ月から半年くらい経つと、突然に頼まれごとが始まります。

頼まれごとがきたら、基本的には全部引き受けます。

頼まれごとは「適当」にやることをお勧めします。

「適当に」というのは、『適度に』ということです。

「引き受けたからには、いい仕事をしなくてはいけない」と気負わずに、そのときの加減で「良い加減」でニコニコと取り組んでいけばいいのです。

頼まれごとを引き受けて行くと、三年くらい経ち、ある方向性でこき使われていることに気がつきます。

「どうもこういうことをするために、この世に生まれてきたみたいだ」というように、自分の"使命"がわかる瞬間があります。

それを「立命」の瞬間といいます。』(日々の暮らしを楽にする)より


梯谷氏のいう「人生が自分に何を求めているのかを問う」とは、まさに「使命」のこと。

「自分がこうしたい」とか「あれをやりたい」というような夢や目標などではなく、「まわりから求められていること」、これが「使命」。


「使命」とは使われる命のこと。

それは、天に使われるということで、天命ともいう。

天に使われる人は、人の役に立つことや、喜ばれることをする人。


人から頼まれない人は、頼まれにくい顔をしている。

「不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句、辛い、悲しい、嫌だ、嫌いだ、疲れた」というような言葉を始終いう人は、頼まれにくい顔になる。


頼まれたことは、気負わず、淡々とやる。

すると、自分の使命や天命が見えてくる。

人生が自分に何を求めているのかを問いたい。





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押忍

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