【ワンメーターの運転に真心を込める】
石川洋氏の心に響く言葉より…
きょうはここまで来る間に、乗せていただいたタクシーの運転手さんとの出会いのことを少し申し上げてみたいと思います。
車に乗せていただくと「お客さんが少ないんでね」ということを言葉に出される運転手さんもございますけれど、私はやっぱり車の運転手さんも仕事であり、商売だと思うんですね。
一人一人のお客さんに、どんなに笑顔で、どんなに穏やかにお話ができるかどうかということは、とても大事なことじゃないかと思うのですが、その運転手さんはほんとうに穏やかで、そして笑顔で、やさしい言葉を吐いてくださいました。
ほんとうに素晴らしい出会いで、今朝はとても気持ちがいいんです。
運転手さんに、
「なんでそんな穏やかに、焦らないで運転ができるようになったんですか」
とお聞きしましたら、
「私だってワンメーターのときもたくさんありますし、そしてときには長距離の運転もあることもあります。だれだって条件は一緒ですよ」
とおっしゃいました。
「けれどもね、長いことやってますとね、ほんとに短いワンメーターの運転に真心込めていくと、次に、ほんとすぐにお客さんが乗ってきてくださって、郊外までという、遠距離のお客さんであることもあるんです。
いつもそういうことではないけれど、大事なことは、ワンメーターという一つの距離だけで自分の仕事をはかったり、その日の気分をつくってしまうことは大きな間違いで、一つ一つに真心をかけていると、それは小さな距離ではなくて、一日の長い線、言うならばお仕事というものは流れのように流れていく。
そのとき、そのときを大切にしていくこと。
それがわかるまではね、もう20年かかりましたよ」
というお話でございました。
人間は、ほんとうに人生の流れです。
その人生の流れを、小さな部分だけで、私は不幸だの、私はなぜ一人ぽっちなの、なぜ自分だけが運が悪いのと、決めてはならない。
長い長い人生の中で、流れながら、一日、一日の生き方を身に着けることが大事なんじゃないでしょうか。
ワンメーターに感謝をすると、次は長い距離のあることもある。
ないときもある。
けれどもお仕事というものはそういうものであって長くても短くても、流れなんだと。
それがやっとわかりましたと言いました。
仕事は大きな意味を私たちに教えてくださるんじゃないんでしょうか。
『やるなら決めよ 決めたら 迷うな』勉誠出版
たとえば、新入社員として入った会社の最初の仕事が、「トイレの掃除」だったり、「書類整理」だったり、「コピーとり」だったりするかもしれない。
そのときに、こんなのは本来の自分の仕事ではないと、手を抜き、心がこもらない適当な仕事をするのなら、いつか必ず仕事にしっぺ返しされる。
農家の野菜作りの名人は、畑で野菜に話しかけるという。
「なぜあなたはそんなことをするのか」、とある人が尋ねると、
「あんたは、大事な家族や友達に、話しかけたり、挨拶したりしないのかね」と言われたという。
まさに、真心を込めるということ。
目の前に与えられた仕事にどんな姿勢で取り組むかで、その人の運の流れが変わってくる。
仕事の一瞬一瞬にどれだけ真心が込められているか。
目の前の仕事に真心を込めたい。
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押忍!
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