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2017年10月9日月曜日

本当の意味での成功

(渋沢栄一の言葉)

現在社会から解釈されて居る成功の意味は、
唯自分の資産を増大に成し遂げると
いふだけのことで、
その手段が合理的であつたか、
その経路が正当であつたか、
そんなことなぞ一切お構ひなしといふ風である。

成功不成功は必ずしも
人間行為の標準ではなく、
人間として一時も忘るゝ
能はざる所のものは
却て行為の善意にある。

故に人道を踏外して成功の地位を達しても
それは極めて価値の少いもので、
人間の仲間に歯することすらも
恥とする位なものであろうと思ふ。



(解説)

「資産の増大」は結果です。
栄一の時代の「現在」でも、
我々の今の「現在」でも、
「資産の増大」という結果によって
成功を判断する傾向があります。

それは「資産の増大」の
「見える化」が簡単だからです。
多ければ、成功。少なければ、失敗。
わかりやすい標準です。

また、取り組んでいる手段や経路の評価も、
結果で決まる場合が多いものです。
結果がなかなか出ないと、
手段や経路が失敗したと判断され、
代替案が試されます。

これはPDCA(Plan, Do, Check, Action)を
回して、Checkで成果が計測できなければ、
次のActionを改めるという考え方です。

ただ、成果が計測できない手段や経路は
無意味だったのでしょうか。

成功不成功を判断するのは
「行為の善意にある」と栄一は唱えます。

「行為の善意」とは、
人間だからこそ出来ること、
あるいは、やるべきことを
意味しているといっていいでしょう。

成功したから自分が歩んでいる道に
価値があるということではなく、
そもそも自分が歩んでいる道に
価値があるのです。

栄一のいうように
「人道を踏外して成功の地位を達しても
 それは極めて価値の少いもの」
なのではないでしょうか。

思い込みかもしれません。
しかし、このような思い込みを持てることが、
「余が処世」、人生の成功の標準と
いえるのではないでしょうか。


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5代目子孫が語る
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『活学新書 渋沢栄一
 人生を創る言葉50』


渋澤健・著


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