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2018年9月19日水曜日

致知メルマガ

【本日の内容】
1 幸せいなる4つの因子
2 今日の「一日一言」/己を正しく保つ
3 創刊40周年「致知と私」/村上和雄

致知出版社の人間力メルマガ 2018.9.19
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1 幸せいなる4つの因子
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前野 隆司(慶應義塾大学大学院教授)

※『致知』2018年10月号【最新号】
※特集「人生の法則」P30
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人間はどうすれば本当の幸せ、争いのない
幸福な社会を実現することができるのか。
この問いに、一つの明確な答えを出したのが、
前野隆司さんです。

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まず取り掛かったのは、世界中の幸せに
関する研究を調べることでした。

すると、「自己肯定感が高い人は幸せ」
「感謝する人は幸せ」など、膨大な研究結果を
得ることができました。

しかし、「感謝する人は幸せ」の研究であれば、
「感謝」という観点でしか幸せを捉えておらず、
幸せを総合的に捉えた研究は少なくとも日本では
行われていないことに気づいたのです。

一つのテーマを掘り下げていくことはもちろん大切ですが、
バラバラに研究したままでは、その成果を
社会で生かすことは容易ではありません。

それなら、自分が過去の幸せ研究を体系化しようと思い、
そのために活用したのが"因子分析"という手法でした。
因子分析は、多変量解析の一つで、多くのデータを解析し、
その構造を明らかにするための手法です。

そう言うと難しそうに聞こえますが、統計ソフトを用いれば、
因子分析は簡単に行えます。具体的には、幸せに関する
過去の研究やアンケート結果をコンピュータにかけ、
専用ソフトで計算するということを行いました。

学生たちとともに因子分析を行った結果、2012年頃、
この要因を満たせば誰もが幸せになれるという因子が得られました。

それは次の四つの因子です。

・第一因子『「やってみよう!」因子』(自己実現と成長の因子)

・第二因子『「ありがとう!」因子』(繋がりと感謝の因子)

・第三因子『「なんとかなる!」因子』(前向きと楽観の因子)

・第四因子『「ありのままに!」因子』(独立と自分らしさの因子)

第一因子の『「やってみよう!」因子』は、
人生の大きな目標や日々の目標を持ち、
それを実現していくための自分の強みが分かっている、
また、強みを生かすために学習・成長しようとしている
人は幸せであることを示しています。

第二因子の『「ありがとう!」因子』は、人に感謝して、
人のために何かをしたい、誰かを喜ばせたいという気持ちが強く、
様々な人と交流を持っている人は幸せであるということです。
第一因子が自己実現や成長といった自分に向かう
幸せだったのに対して、第二因子は感謝と利他、
他人に向かう幸せだといってよいでしょう。

第三因子の『「なんとかなる!」因子』は、
幸せには前向きさや楽観性が必要だということを示しています。
自己実現や成長、他者との繋がりを育む場合にも、
「よし、何とかなる!」と、前向きで楽観的に
チャレンジしていけることが必要です。そういう意味では、
第三因子は幸せになるためのスパイスのようなものだと言えます。

最後の第四因子『「ありのままに!」因子』は、
周りの目を気にせず、自分らしく生きることが
幸せに繋がることを示しています。

例えば、第二因子の実現のために周囲の人と
仲良くすることはよいのですが、それが人のペースに
合わせてばかりになっては幸せになれないでしょう。
人と仲良くしつつも、同時に自分らしさも
持つことで幸せになれるのです。

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人の幸福度は簡単に高めることができると語る
前野さん。そのためには日々のちょっとした
意識づけが大切なのだそうです。

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2 今日の「一日一言」/己を正しく保つ
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謙遜ということは、わが身を慎んで
己を正しく保つということが、
その根本精神をなすのであります。

つまりいかなる相手に対しても、
常に相手との正しい関係において、
自己を取り失わぬということです。
すなわち必要以上に出しゃばりもしなければ、
同時にまた妙にヘコヘコもしない
ということであります。

  『修身教授録一日一言』より

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3 創刊40周年「致知と私」/村上和雄
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最近の脳科学の研究から、私たちの脳にある
「ミラー・ニューロン」と呼ばれる
神経回路の働きが分かってきました。

この特殊なニューロンは、他人の行為を
鏡のように脳内に映し出し「他人の心を読み取る」
という脳の大切な機能を支えているのです。

いま、私はこのミラー・ニューロンの活動と
遺伝子の関係に注目しています。なぜなら、
遺伝子の中には「利他的な遺伝子」
というものが存在すると私は考えているからです。

他人の喜びをわが喜びと感じるのは、
ミラー・ニューロンの働きですが、
その活動の基盤に、遺伝子が関与しているのは
間違いありません。そして、他人の喜びを自分の
喜びとして感じるとき、私は「良い遺伝子がオン」
になっていると考えているのです。

この「利他的な遺伝子」の存在を暗示する
実例が『致知』の誌上にあふれています。

今後、個人や社会にとって『致知』の
情報はますます貴重になることでしょう。

 ──村上和雄(筑波大学名誉教授)

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