わたくしたちが、自分の人生を真に充実して
生きようとしたら、結局「今日」の一日を、
いかに充実していきるかということが、
最後の「秘訣」といってよいでしょう。
それというのも、人間の一生といいましても、
結局は一日一日の積み重ねの他ないからであります。
したがって、もし今日わたくしが、
当然すべきであり、かつやる気になればやれる仕事を、
もししなかったとしたら、
それは結局明日に延ばすことになりましょう。
(略)
ところが、一生といっても、
結局は一日一日の積み重ねの他ないわけですから、
その日の予定を翌日に延ばして
平気でいるということは、
そういう人の仕事は、結局あの世へ
持ち越しとなるわけであります。
すなわちその人の人生は
真の完成にはならないのであります。
随って一人の人生が、
真に充実した一生になるかならないかは、
その人が「今日」一日の仕事を、
やり遂げるか否かによって分れるわけであります。
そしてそれを他のコトバで申しますと、
われわれの人生は、結局「今日」という一日の上に、
その「縮図」が見られるわけであって、
それが今日わたくしがテーマとして掲げた
「一日は一生の縮図なり」
ということになるわけであります。
森信三
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押忍
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