プロフィール

2015年7月31日金曜日

今日の言葉 稽古

石黒ブログを読んで頂けるご縁に感謝致します。

いつもありがとうございます。




「鳥のまさに死なんとするやその鳴くや哀し
 人のまさに死なんとするやその言や善し」

という言葉が『論語』にあります。

鳥が死のうとする時に発する鳴き声は悲しく、
人の心にしみるものがある。

同様に、人が死の間際で遺す言葉は深く胸にひびくものがある、
ということでしょう。

臨終の時に発する言葉だけではない、
一つの道を極めてきた人が
その人生の歩みの中で体得した言葉もまた、
今を生きる者の心を照らし、
潤してくれる——。

このほど刊行成った
『プロフェッショナル100人の流儀』を改めて通読し、
その思いを深くしました。

本書は今年創刊37年になる『致知』の記事の中から
100人のその道の第一人者の言葉を選び出し、編集したものです。

いずれも、辛苦の体験の中から生まれた言葉で、
それぞれがいぶし銀のような光沢を放って、
読む者の心に迫ってきます。

例えば、人間国宝の講談師・一龍斎貞水さんの言葉。
「教えてくれなきゃできないって言ってる
 人間には、教えたってできない」
というゴシック体の言葉のあとにこういう説明があります。


  「"貞水さんはあまり後輩にものを教えませんね"
   って言われるけど、
   僕らは教えるんじゃなくて伝える役なんです。

   伝えるということは、それを受け取ろう、
   自分の身に先人の技を刻み込もうとするから
   伝わっていくもの。

   教えてくれなきゃできないって言ってる人間には、
   教えたってできませんよ」


貞水さんも若い頃、師匠に言われたといいます。


  「おまえたちは、日頃いかにも弟子だという顔をして
   俺の身の回りの世話をしているくせに、
   俺が高座に上がっている時、
   それを聴こう、盗もうって気がちっともない。

   ホッとして遊んでる。
   俺が高座に上がっている時は、
   どんなに体がきつかろうと、
   お金を払って見に来てくださっているお客様のために
   命懸けでしゃべってるんだ。

   その一番肝心な時に、
   聴いて自分から習おう、
   盗もうって気がないからうまくならないんだ」


痛棒、心魂を打つ言葉であり流儀です。

ケーキハウスツマガリ・津曲孝社長の言葉。


  「99パーセントの力を出している時はしんどいが、
   110パーセント、120パーセントの力を出そうと
   決意した時、その人の根こそぎの力が出てくる」


本当に人生で勝負した人ならではの言葉でしょう。


最後に、東北の古川商業高等学校女子バレーボール部を
全国制覇12回の強豪チームに変えた
国分秀男氏の言葉


  「"この苦しみが
   俺を磨いてくれる。
   これを乗り越えれば
   一つ賢くなれる"

   これまでたくさんの人を見てきましたが、
   概ね3つのタイプに分かれると思います。

   1つは苦しくなると"もうダメだ、無理だ"と思う
  "絶望諦め型"

   2つ目は"いやだけど、しょうがないからやるか"という
  "消極的納得型"

   そして3つ目は"この苦しみが俺を磨いてくれる。
   これを乗り越えれば一つ賢くなれる"と考える
  "積極的プラス思考型"

   結局、歴史に名を残すような偉人や成功者は、
   3番目の人間からしか生まれません。

   1、2、3のどのタイプの人間になるかは
   考え方一つです。
   お金がかかるわけじゃない。
   努力がいるわけでもない。
   時間もかからない。
   物事の見方をちょっと変えるだけでいいのです」


人生の達人たちの紡ぎ出した百様の流儀の中から
自分なりの流儀を掴み、
人生を勇躍していく人の一人でも多からんことを祈ります。





『プロフェッショナル100人の流儀』(藤尾秀昭・監修)



致知より




拳立て十七回です。



今日一日、皆様が無事であることを神にお祈り致します。



押忍 石黒康之

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