プロフィール

2015年7月28日火曜日

今日の言葉3

本日、三つ目の今日の言葉となります。

宜しくお願い致します。



☆☆☆

阿蘇の外輪山中で静かに陶器づくりと
農業を営む北川八郎さん。

そのもとには心身をともに悩みを抱えた方が
多く訪れるといいます。

そんな北川さんのもとを訪れたある競輪選手がいます。

勝利から見放された選手が
いかにして勝利を
手繰り寄せるられるようになったのか——。

本日は、その軌跡を辿ります。


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      「捨てると強くなる」
 
       北川八郎氏(陶芸家)

    
     ※『致知』2007年1月号
     特集「心を養い生を養う」より


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少し前に私のところに
全国でも有名な競輪選手が来たんです。

その人は初めの頃レースの途中で
すぐ落車するんですね。


なぜかと言うと、
その人はずーっと勝ちたいと思っていて、
競輪というのは勝ちにいくと
人と競わないといけないから、
隙を狙って相手を追い抜こうとする。

すると、すごく邪魔をされるそうなんです。

だから力はあるのにずーっと勝てないでいたし、
落車すると骨折したり怪我をしてしまう。

大怪我をしたら競輪をやめないといけないから、
私のところに相談にきたのです。


——それで、先生はなんとお答えになられたんですか?


勝ちを目指すのではなく、
勝つことを棚上げして呼吸法を身につけて、
「きょう一日いい走りをしよう」
と決めて流れを見てごらんと。

それから彼は勝負に勝とうとするのではなくて、
とにかく自分のベストを尽くして、
その中で勢いの流れを見ることに努めました。

そのために瞑想と呼吸法を身に付けたら、
ある時から勝てるようになったんですね。


前と何が違うかといったら、
彼はレース中にすーっと
流れの隙間が見えるようになった。

そしてその隙間に導かれるように
自分が入り込めるようになって、
気がついたらいつの間にかトップになっていると。

そして争ったり人を落とし込んで勝とうとしていた時は、
みんなから嫌われていたそうなんですね。


しかし自然に勝てるようになった時には、
競争心を捨ててベストを尽くし、
勝負の最中でもただ自分の
いいものを出そうとして勝っているから、
「彼なら仕方ないね」と逆に
皆に尊敬を受けるようになっていたと言います。


人間性がすごく高まったんですね。


己を捨てるってなかなか難しいんだけど、
自分の中にある「勝ちたい」とか
「儲けたい」「威張りたい」という心をどう除くか。


☆☆☆

致知より




押忍! 石黒康之

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