◆ 日本最古の兵書『闘戦経』に学ぶ ◆
齋藤 孝(明治大学教授)
※『致知』2016年4月号
※特集「夷険一節」
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私が『闘戦経』を読んで
何よりも感動するのは、
大江匡房(おおえまさふさ)によって
書かれた日本人の「武」の精神が、
900年以上経ったいまも
私たちの精神の根底に
あり続けているということです。
武士たちが戦いを繰り広げた
鎌倉、室町、戦国時代、
そして260年以上太平の世が続いた
江戸時代、維新を経験した
明治の人たちにも『闘戦経』が説く
「武」の精神=「戦う気持ち」は
きちんと残っていました。
私の祖父は明治の生まれでしたが、
まさに武の人でした。
さらに戦後の復興、高度成長期を
支えてきた日本人たちは、
武の精神をもって国内だけでなく
世界で戦ってきたのです。
平成のいま、
様々な事件や外圧はあるものの、
太平の世と言ってもいいでしょう。
日本人は随分と
柔らかくなったようにも見えます。
しかし表面を見ている
だけでは分からなくとも、
その心の奥底には「武」の精神が
しっかりと残っていることを感じます。
なぜなら『闘戦経』の言葉の
一つひとつが心に熱く、
そして重く響いてくるからです。
『闘戦経』では、日本人は
日頃からいかに戦いに備えるか、
そして戦いにあってはどのように挑むか、
順序立てて整理し、
一人ひとりの心構えとして
53章に分けて説かれています。
生きていれば日々、
様々なことが降りかかってきます。
ビジネスの場であれば、
なおさらでしょう。
そんな時、普段から
いかに心を鍛え、戦うか、
日本人としての心構えを知っておけば、
仕事でも必ず成果を出せるはずです。
致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。
押忍!
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