【競争はなくならない】
上智大学名誉教授、渡部昇一氏の心に響く言葉より…
競争は確かにしんどい。
だから、ともすれば競争がない状態をつくろうとする。
だが、競争がなくなると、外部からであれ内部からであれ、崩壊がやってくる。
商業というのは、競争が本質です。
競争というのは自由と同義語です。
商業の中にある本質的な自由。
多少行儀が悪くとも個人個人が生き生きしている社会より、とにかく騒ぎがなくて、一見整然としている社会のほうがいいんだと考える、いってみれば停滞主義者には商業は目障りなんです。
この停滞主義者というのは、右翼左翼を問いません。
案外革新とか改革とかをしきりにいうのが停滞主義者だというのは、歴史を見ればよくわかります。
上と下を平準化するのがいいことなのだ、という思想。
これはぜひとも払拭しなければならない。
能力のあるやつはどんどん稼いで、金持ちになれるようにしないといけません。
そうでないと、国全体が活力を失い、やがて天の一角から競争者が現れて、ひとたまりもなくやられてしまうことになる。
敗者の救済は、あくまでも救済の原理でやるべきでしょう。
『渡部昇一 一日一言』致知出版社
多くの人は競争相手は同業他社だと思っている。
しかし、ITやIOTの劇的な進化により、思わぬ業界の見も知らぬ企業が、ある日突如として競争相手になる、などという事例は多い。
つまり、「競争相手は時代の変化」だということ。
いくら同業者の集まりの中で談合等を行ったり、官主導で価格を決め競争を排除したとしても、全く新しい業界や違った産業からの進出があれば、競争はなくならない。
むしろ、手厚く守られている業界ほど、革新的な新規業者が出てきたときに、多くの既存企業が倒産の危機にさらされる。
「宿泊施設を1軒も所有していないAirbnb(エアビーアンドビー)が世界一の宿泊業社になった。
タクシーを1台も所有していないUBER(ウーバー)が世界一のタクシー会社になった」
と、藤村正宏氏は語る。
同様に、新聞等のマスコミも、インターネットの記事や、個人がSNS等で発信することにより、発行部数を確実に落としている。
新聞の競争相手は新聞ではなかったということ。
世の中のことは古来より、「進歩発展」か「現状維持」のどちらかしかない。
現状維持とは、つまり退歩するということ。
「競争はなくならない」
「競争相手は時代の変化」という言葉をかみしめたい。
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押忍!
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