伊那食品工業会長の塚越寛氏の心に響く言葉より…
経営の目的は「社員の幸福と、社員の幸福を通じての社会貢献」です。
企業は、永続的に安定成長することによって、より多くの人びとを幸せにすることができると考えてやってきました。
ゆるやかな末広がりの成長を続けて、永続する企業であること。
これが私の理想像です。
末広がりを「八の字経営」とも呼びます。
前を向いて両手を広げて立つ、大らかな感じ。
閉塞感がなく、夢や希望に満ちている状態です。
常に末広がりであることは、ゆるやかに、かぎりなく成長をつづけていくという意味です。
末広がりの成長をイメージしながら経営判断を積み重ねていけば、生産設備の無理な投資や、それによる供給の過剰を抑えられます。
資源の有効利用や二酸化炭素の排出削減など、生産活動を環境問題に矛盾なく適合させることができます。
末広がりを志向するならば、若いときのスタートは、むしろ低いほうがいいでしょう。
必ずしも景気のいい会社に勤める必要はなく、若いときの努力が無駄にならない会社や業界かどうかを、判断したほうがいいかもしれません。
恵まれない状態からスタートすれば、将来は末広がりになっていくはずです。
人一倍に苦労をして考え、人の話に耳を傾けて学ぶ謙虚さが身につくからです。
『新訂いい会社をつくりましょう』文屋
会社を永続させようと思うなら、取るべき経営の方向は自(おの)ずと決まってくる。
たとえば、事業を一気に急速拡大する戦略をとるなら、リスクが多すぎて、100年、200年と続く会社にするには難しい。
逆に、コツコツと内部充実をはかり、会社を財務的にも、組織的にも筋肉質にしていくこと。
それは、不況や天変地異があってもびくともしない会社。
松下幸之助翁のいう「ダム式経営」だ。
ダム式経営とは、ダムがいつも満々と水をたくわえているように、不測の事態に備えて、資金も人材も蓄えておかなければならない、というもの。
そうすれば余裕を持った経営ができる、と。
そして同時に、企業を永続するためには、働いている人一人ひとりが幸せになり、そのことによって、まわりも幸せになっていくこと。
まさに、アメリカのサウスウエスト航空の企業ポリシーがそれだ。
それが、「お客様第二主義、従業員第一主義」。
そのことによって、サウスウエスト航空は、40年もの間、黒字経営を継続している。
従業員を幸せにすれば、顧客も、地域社会も、取引先も自然と幸せになっていく。
だが、その逆は難しい。
それは、王道と覇道(はどう)の違いでもある。
『王道とは、努力多くして、「利」少ない道。 覇道とは、努力少なくして、「利」多い道』
長く続く「いい会社」をめざしたい。
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押忍!
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