人を使ってみると、こっちの思うようには働いてくれない。
それでいらいらして、腹をたてる人がある。
考えの足りない話である。
他人ではない自分のうちのものを使っても、弟妹が、子供が、注文通りに、働いてくれない。
それどころか、自分自身さえも、自分の命令に、従順とは申しかねる。
頭が早起きせよと命じても、体は寝返りをして、またひと眠りする。
頭は優しい言葉をかけよといっても、舌は平気で暴言をはく。
これを思えば、人を使って意のままに動かそうということの無理がわかる。
何かやらせてもしくじりが多く、使いにやっても気がきかないというが、こっちに教え方、言いつけ方が足りなかったのではないか。
田舎から出たばかりで、何もかも勝手がちがう場合もあれば、聞きちがいということもある。
(中略)
「人を使う」という。牛を使う、馬を使う、きかいを使うというならわかる。
しかし、人間が人間を使うということになると、その思想に問題がある。
仕事が大きくなれば、一人では出来ない。
そこで協力者を求める。
共に働いて貰うのである。
主人が家来を使うように考えたら、大まちがいである。
女中を使う、丁稚を使うといった気持ちを清算せねばならない。
会社にしても、社長あり、重役あり、平社員あり、雇員ありというのであるが、それは仕事を進める組織の上の分業であり、上下の関係ではない。
人間対人間関係では、全部同列、全部平等である。
楽園
後藤静香 著
善本社
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仕事をする上での役割こそ違うかもしれませんが、仕事に上下や優劣はないと思います。
全員同列、全員平等。
そのうえで、共に働く仲間であり、共に企業理念の実現を目指す同志であり、共に幸せや笑顔を創造する共同体ではないでしょうか。
イケアの採用ページにある言葉がまさに、これからの時代の働き方だと感じます。
「イケアにはイケアのやり方があります。
あなたにもあなたのやり方があるでしょう。
イケアはそれはいいことだと考えています。
みんながそれぞれ違っていることは素晴らしいことです。
あなたがイケアから学ぶことがあるように、イケアもあなたからたくさんのことを学ぶことができるでしょう。
あなたがイケアで成長することができるように、イケアもあなたが成長することで成長することができます。
イケアと一緒に成長していきましょう!」
みんな頑張っていると思うし、いろんな事情がある中、それを隠して一生懸命働いていたりします。
トップダウン、ピラミッド型の指示命令では軍隊さえも動かないことを、あの海軍大将、山本五十六(やまもといそろく)さんの言葉によって気付かされます。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
ナポレオンも、「全軍突撃せよ!」じゃなかったんです。
「俺に続け~!」だったんです。
上司や社長の在り方が問われるのは、今も昔も同じですね♪
※魂が震える話より
相田公弘さんFacebookページよりシェアさせて頂きました。
押忍!
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