なお進まん、94歳老舗経営者の心意気
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津田 佐兵衞(井筒八ッ橋本舗オーナー)
※『致知』2018年8月号
※連載「生涯現役」P104
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京都の老舗、井筒八ッ橋本舗。そのオーナーを
務めるのが御年94歳の津田佐兵衞さんです。
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──家業を継がれて今日に至るまで、
最も大切にされてきたことはどんなことでしょうか?
私は経営者としては二流三流の人間ですから、
難しいことは考えずに、先祖からの流れを
守ろうという思いで家訓を大事にしてきました。
特に第一条にある「利益よりも永続」は
一番大事にしてきました。よく他業者の方は
損して得取れというようなことを言いますけど、
うちでは損はしない代わりに儲けることもするなと。
利益を上げるために目標を定めるんやなしに、
いつまでも商いを続けさせてもらえるよう、
いい材料で一番いいものをつくるというのが
私らの商売の仕方なんです。
──それが企業を永続させるための秘訣であると。
おかげで利益はいつも少なかったですけど、
家訓を大事にしてきたからこそ会社も徐々に
大きくなって、200名を超える従業員を
抱えるまでになりました。ですから私はいつでも
家訓のことを一番に考えていますけど、
あとは至って普通の人間です(笑)。
(中略))
ただ、この年まで生きてみてつくづく思うのは、
ただ長生きするだけではダメだということです。
──長生きするだけではダメ。
ええ。生きて仕事をすることです。
私は生きている限りは働き続けることが
人間としての一番正しい生き方だと思うんですよ。
昨年のことですが、宮﨑秀吉さんという106歳にして
100メートル走の世界記録を持つ方とお会いしましてね。
ものすごくお元気な方で、その影響で私ももっと
頑張らないかんと気張り出して、
それ以来仕事の量を増やしてやっているんです。
──それはすごいですね。
息子はいったい何が起こったんやと
心配しておるようですけど(笑)、
宮﨑さんのおかげで私は前向きになりました。
他にも最近になって変わったことと言えば、
何かにつけて周囲の方々に助けられ、
教えられていまがあるということを
しみじみと感じるようになったことです。
家訓にも「お客様に感謝、社員に感謝、
仕入先に感謝」とありますけど、
とにかく様々なご恩に対する感謝の思いから、
恩返しをしていきたい、人のためになることやったら
何でもやりたいという気持ちでいます。
感謝報恩に生きていきたいというのが、
いまの私の心からの思いです。
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若い頃は生物学の研究者を目指していた津田さん。
30歳にして一転して経営の道に入られた経緯には
なにか運命的なものが感じられいます。
致知出版社様メルマガよりシェアさせて頂きました。
押忍!
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