私は幼い頃から何気ない日常の中で、
祖母が貫いてきた日本の婦道、
女性の武士道を教えられてきました。
最初は意味もわからず
とにかくそうするものなのだと
受けとめていました。
けれど、成長する過程で祖母の教えの深さに
気づくようになり、
「とても祖母のようにはできない」と、
時には投げ出したくなることさえありました。
荷が重すぎると思わずに
いられなかったのです。
けれどそんな時に、祖母のおだやかな笑みが
思い出されるのでした。
私が面倒な物事を投げだそうとした時、
祖母は静かに微笑みながら言ったものです。
「遙かな山の頂上を眺めて、
とてもじゃないけれどこれは登れないと
言ってるわけだね。
てっぺんばっかり見て踏み出したら、
転ぶかもしれませんよ。
大事なのは、その頂上に続く目の前の一歩を
どんなふうに踏み出すか。
できる限りの最良な一歩を踏み出すことに
心を砕きなされ。
その日その時々により良い一歩を重ねることが、
いつしか高みへとおのれを
導いていくのですから」
遥か彼方の最終地点を思って
おののいてしまうのは、私の悪い癖でした。
どの方向に向かっていけばいいのか
目標を据えたあとは、とにかく目の前の一歩を
ひたすら大切にするばかりなのでしょう。
武士道に則って生きることに疲れたとき、
自分には無理だとあきらめたくなったとき、
「目の前の一歩」ということを思い出すことは、
気持ちを明るく強く持つコツのように思います。
◆武士の娘だった祖母に教わった、
凛として生きる女性になるための55の心得
『女子の武士道』(石川真理子・著)より
致知出版社様メルマガより
拳立て七回です。
今日一日、皆様が無事であることを神にお祈り致します。
押忍 石黒康之
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