【目下の人間には親切に】
従順ならざる唯一の日本人、白洲次郎氏の心に響く言葉より…
《自分より目下と思われる人間には親切にしろよ》(白洲次郎)
"目下の人間に威張り散らすな"
次郎は留学した際に、イギリス流の階級社会がどういうものかを身をもって知った。
そこで学んだのが、目下の者にも丁寧な態度で接するという、イギリス流のジェントルマンシップである。
そのため、使用人や部下に対し、ふんぞりかえって威張り散らすような態度を嫌悪していた。
実際の次郎は、歯に衣着せぬ物言いが特徴で、年を取ってからはかなり"うるさ型のじいさん"だったという評もあるが、目下の者には優しく、晩年理事長を務めた軽井沢ゴルフクラブでは、ケガをした従業員に自らスープを作って食べさせるというようなこともあったという。
目下の者に対する態度で、その人の人間性が見える。
常に人の上に立ってきたジェントルマン・次郎にとっては当たり前のことなのである。
また、次郎は80歳の年まで自らハンドルを握るほどクルマ好きだったが、それはプライベートでの話。
仕事となれば、常に一人の行動が許されるわけでもなく、運転手がいたり、部下に運転を任せていた。
しかし、そういう時でも後部座席でふんぞり返るのではなく、自ら好んで助手席に座っていたという。
その理由は「後ろでふんぞり返っていうやつはみんなバカだ」ということだそうで、つまり、偉そうにしている連中の態度は次郎の美学に反していたのだ。
次郎が常に口にしていたのは"目下の者にやさしく"である。
次郎は食事などの際店に着くと、まず先に「運転手にメシを食わせてやってくれ」と言って、運転手の分を真っ先に注文したという。
この気遣いこそが、上に立つ者に求められるジェントルマンシップなのである。
『白洲次郎 戦う言葉100』英和出版社
自分より目下の者、弱い者、言い返せない立場の人に威張ったり、偉そうにする人がいる。
そういう人は逆に、目上の人、強い人、には、ペコペコしたり、卑屈(ひくつ)になっていることが多い。
「弱きを助け強きを挫(くじ)く」の真逆にある、「下(しも)いびりの上諂(かみへつら)い」の人だ。
下の者をいじめて、上の者にはこびへつらう。
偉そうな人は、粋(いき)じゃないし、カッコ悪いし、美しくない。
他人を見下したり、自分を大きく見せようとする人は、幼い子どもと同じで、セルフコントロールができない。
つまり、成熟した大人ではない。
どんなときもジェントルマン(レディ)でありたい。
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押忍!
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