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「あらゆるものに呼吸を合わす」
(坂村真民)
※聞き手:『致知』編集長 藤尾秀昭
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——その後は、もう全然、
病気をなさらないんですか。
それは合わせていくからね。
そういうのをいつの間にか、
体につけてきました。
——合わせるというのは年齢に?
いや、宇宙の回転かな。
逆に回さんですわな。
私が輪島というところで、
高校の教員をしていたころ、
生徒を連れて「泣き坂」という
大変な坂を上ったことがある。
すると、後ろからついてきた
高校三年の女の子が、
「先生はどうしてこの坂を
平気で上っていくんか。
私らは息もできん。
先生は、上の方にすすきが
きらきらと光ってるといわれたが、
どんなに光っとっても私らは辛うて、
そんなの、見えん」
というんです。で、
「ああ、そうか。
それはこの山やら木やら坂やら、
そういうのに呼吸を合わせていくから、
ちっとも無駄にしない。
お前たちはむしゃくしゃしてるから、
余計、きついんや。
あらゆるものと呼吸を
合わせていったら、
どんなに苦しいときでも苦しくない。
これはちょっと難しいが、
ぼくがいったことだけでも覚えておけ。
呼吸を合わせると、
あらゆるものが無理せずに
スムーズにいく。
それを合わせずにいくから、
病気になったり、
不幸になったり運命が
逆転したりするんや」
と。
「鳥は呼吸を合わせていくから
三千世界を飛んでくるんや。
魚も呼吸を合わせて泳いでいるんや」
と。
——それを大病の後に体得された。
ええ。だから、ぼくの詩に、
「病いが
また一つの世界を
ひらいてくれた
桃
咲く」
という詩があるんです。
それは本当に死ぬ思いをした。
そのときは生きていこうという
気力もなくなったんです。
そこを通り越してきて、何かしら、
命というものがよみがえってきたときに、
ひょいと見たら、隣の家の桃が
満開でした。
それから、私の世界が
変わってきたですよ。
一種の悟りでしょうね。
陰の世界から
陽の世界へ変わってきた。
それで病気をせんようになった。
致知出版社様メルマガよりシェアさせて頂きました。
押忍!
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