磨くとは
二度とない人生を
どう生きるか
それをしっかりさせる
ためであった
ああ古来の職人たちが
一番大切にしたのは
すぐれた砥石であった
坂村真民(93歳の詩作)
『かなしみを
あたためあって
あるいてゆこう』より
▼国民詩人・坂村真民93歳。
人生哲学を表わした詩とは。
砥石
砥部の砥石で
己れを磨け
砥部に来たのも
そのためだったのだ
わたしが詩歌一筋に
生きたのも
己れを詩歌によって
磨くためであった
磨くとは
二度とない人生を
どう生きるか
それをしっかりさせる
ためであった
ああ古来の職人たちが
一番大切にしたのは
すぐれた砥石であった
***
これは坂村真民が
93歳の時に書いた詩です。
真民は、昭和42年10月に
砥部に移り住み、
そこを終の棲み家として
一生を終えました。
昭和52年に発行された
記念誌「砥部焼とわたし」の中で、
真民は、砥部町に住む
決心をした要因として、
重信川と砥部焼の窯の
二つを挙げています。
川のそばで育った真民は、
小さい時から川をこよなく愛し、
川を詠った詩も多数あります。
また、生家のすぐ近くが
小岱焼(しょうだいやき)の
産地であったこともあり、
焼き物にもずっと
愛着を持って過ごしていました。
砥部にやって来たのも、
砥部焼の魅力に
引きつけられたのが
一つの理由でした。
真民は、
砥部に住むようになって、
「砥部の砥石で己を磨け」
という言葉を
よく使うようになりました。
この「砥石」も、
93歳になった真民が、
自分自身に対して、
もう一度初心に帰り、
己を磨くことの大切さを
詠った詩であると言えます……
致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。
押忍!
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