プロフィール

2017年9月20日水曜日

遺産争族

物事を悪い方向に
 向かわせるのも、
 よい方向に向かわせるのも、
 すべては自分の心次第

 鈴木秀子
(聖心会シスター)

 ──月刊『致知』最新号より



▼「幸せをもたらす
  人生最後の贈り物」

 
 ある教え子の家庭の話ですが、
 遺産相続を巡って奥さんと
 そのお姉さんが喧嘩をし、
 30年間、お互いに
 顔を合わせることなく
 憎み続けていました。


 ある時、奥さんは病に倒れ、
 余命数日という状態に
 なりました。


 見舞った私に細い声で

「姉さんともう一度、
 仲直りがしたい」

 と言います。

 しかし、家族は

「この場に及んで
 嫌な思いはさせたくない」

 と大反対でした。

  * * *

 聞くと、お姉さんは
 1時間以内の所に
 住んでいるといいます。


「これは会わせて
 あげなくてはいけない」

 と思った私は

「すぐに呼んでください。
 私が傍についていますから
 大丈夫です」

 と家族を説得して、
 お姉さんに来ていただくように
 連絡を取ってもらいました。


 そこで驚くようなことが
 起きました。

 病室に来たお姉さんは
 妹の名前を呼んだかと思うと、
 飛びつくように
 ベッドに駆け寄り、
 奥さんもそれまでの
 重篤な状態が嘘のように
 体を起こして、
 思いっきり抱き合ったのです。


「ごめんなさい、私が悪かった」
「こちらこそ、ごめんなさい」。

 そう言いながら
 滂沱(ぼうだ)の涙を流し、
 積年の恨みを
 消し去っていったのです。


 奥さんは間もなくして
 亡くなりましたが、
 いまでも忘れることのできない
 光景です。


  * * *

 生前、このような
「仲良し時間」を持つことは、
 幸せな人生を送る上で
 とても大事です。


 中には遠くにいて
 会えなかったり、
 既に亡くなっていて
 時間を共有できない場合も
 あるでしょう。


 そういう時でも、
 相手をイメージしながら
 心からのお詫びと
 感謝の気持ちを送ることで、
 恨みや憎しみを消すことが
 できます……


致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。


押忍!

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