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景気を知るということ
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「景気を知る」というのは、
大勢が戦う合戦において、
敵の勢いが盛んなのか衰えているのかを読み、
敵兵の心理状態を推し量り、
その場の状況をつかみ、敵の様子をよく観察して、
こちらの兵力をどう動かすかを考え、
わが二天一流の兵法の道理を駆使して
確実に勝利を得るコツを呑み込み、
先の見通しを立てて戦うことをいうのである。
また、一対一の勝負においても、
敵の流派をわきまえ、相手の性格を読み、
得手不得手、長所短所を見つけて、
敵の意表を突く攻め方をし、
敵の思惑の裏をかくことをしかけ、
敵の調子の"減り上り(めりかり)"
(メリハリ)を知り、
その間の拍子(呼吸)もよく知った上で、
こちらから先手をしかけることが肝要である。
物事の「景気」は、
自分自身の智力が優れていれば、
必ずつかめるものである。
兵法でも同じで、意思のとおりに
自在に動けるようになれば、
敵の心を十二分に推測することで
勝つ方法を多く見つけ出せるであろう。
工夫することだ。
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『五輪書』
宮本武蔵・著
城島明彦・現代語訳
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押忍!
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