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2017年5月4日木曜日

会社経営の本質

【社員満足度を高める】


北川八郎氏の心に響く言葉より…


「経営者に刀はいらない」。

ずっと繁盛したいのであれば経営に勝ち負けの戦い意識を持ち込まないことです。

ただ自分の経営と商品が世間の人々の賛同をどうすれば得られるかということに日々努力すればいいのです。


次の時代の世界の繁栄世界では戦術・戦略という言葉すら不必要。

戦術・戦略は2000年以上続く古い「男の戦いの世界の思考習慣」にすぎません。

それは「特定の相手に勝つ」「負けない戦い」、古い世界観のためのものです。

現代のように多くの大衆相手に商いをする場合、少数の相手に狙いを定めて勝つことを目指す必要はありません。

この世にいる大多数の善意の人々の行為を味方にすることが大切です。


個人で考えてみるとよいでしょう。

いつの時代も自分だけ富者、自国だけが強国(昔の秦など)は長く続きません。

勝てば必ず負けます。

自分がなしたことと同じく、やがてやられます。


これからの新しい企業の時代は、戦わないで栄える。

手を取り合って栄える。

一人強者はいらない。

昔の男性思考の国取り思考の延長から抜け出して、新しい時代に入ったことに目ざめましょう。


経済も経営も大衆からの賛歌、協賛、応援、そして相互の信頼というものが成り立ってこそ売り上げの伸びが続き、企業はその「信に利益がついてくる」ということに目を向ける。

新しい企業成長の時代に入ったと「肚をすえる」ことです。

女性の力が伸び、女性起業家がもっと増えれば、男性企業家のような強面(こわもて)の連略好きな方はやがて置き去りにされていきます。


もう一つ、地域に役立ち世界中の人々に役立つ社会貢献が、社の業務の一つであることが絶対に必須です。

企業の本質は社会貢献です。

もっとわかりやすく言えば、戦わないで善意で人々に接し幸せを提供する。

ですから武器にかわって必要なものは、笑顔と温かさ、人の幸せ、そして信頼です。

それに力を注げば利益と繁栄は、その「社の方針に憧れた良き社員の入社」と共についてくるので、数字を追わなくていいのです。


私がよく例に出す会社ですが、新潟三条市のオークス(株)では三代目の佐藤俊之社長が就任して、まず売り上げよりも、社長が徹底して社員満足度を上げることに専念したところ、社に勢いが戻り、今では創業以来の業績をあげるようになっています。

会社の仕組みも制度も製品も良いのですが、佐藤俊之社長が、まず社内チームみな仲が良くなるように、はっきりした未来目標、会社に行きたくなるような施策をどんどんしていったところ、次のような社員満足度アンケートがあがってきました。

問いは「大切な友人にわが社で一緒に働くことを奨めたいと思いますか」に対して10点満点の7点以上が社員の83%にに達したのです。

最高評価9点以上はなんと全社員の60点(アンケートはすべて匿名)でした。

そう思う共通の理由をたくさんの声の中からいくつか次に取り上げてみます。


●自慢できる会社だから

●会社に行くことが楽しいから

●常に変化、進化が求められ大変だけどやりがいがあるから

●会社の雰囲気がとてもよく、互いに向上し合える体制ができているから

●いい会社と思う。未来が明るいし期待できる

●社員をとても大切にしてくれる

●自ら提案し、仕事ができる楽しさと厳しさがあるから

●皆、意識が高く仲がいい。他の会社で働くことなど考えられない


佐藤俊之社長は「社長冥利(みょうり)に尽きる。私の方こそ感謝にたえない。社員のみなさんを本当に誇りに思っています」と言われています。


『繁栄の法則』致知出版社





会社経営の本質は、社の売上を拡大することでもなければ、規模を大きくすることでもなく、上場することでもない。

その本質は、会社の理念に賛同してくれた社員やスタッフの人たちの「社員(スタッフ)満足度」をできうるかぎり上げ続け、そのことによって「顧客満足度」を上げ、社会貢献すること。


「近き者説(よろこ)び、遠き者来る」

という論語の中の言葉がある。

身近な人たちを喜ばすことができない者は、遠くにいる人々を喜ばすことなど到底できない。


これは、政治の要諦(ようてい)として語られた言葉だが、経営や一般の人間関係でも同じことが言える。

身近な人たちや家族を幸せにできない者が、人々のためにとか、社会貢献やボランティアなどということを言えば言うほど嘘っぽくなる。


「社長の仕事は、お客様を喜ばせる前に、社員を喜ばせること。すなわち社員第一主義、顧客第二主義」

40年黒字経営を続けているアメリカのサウスウエスト航空の企業理念だ。


今こそ、経営の本質に立ち戻りたい。




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