落合陽一氏の心に響く言葉より…
「人生100年時代」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。
日本には現在、100才以上の高齢者が6万9785人います(2018年9月現在)。
1980年の時点では、100才以上は全国に約968人しかいませんでした。
この38年の間に約70倍にまで増えたことになります。
このまま医療が発達し、人間の平均寿命が年々伸び続ければ、いずれ100才まで生きることが当たり前の時代が来ると言われており、日本政府はその予測のもとに、2017年に「人生100年時代構想会議」を立ち上げています。
社会のあり方や、個人のライフスタイルに大きな変化が生じることは確定的で、政府は既に準備から行動へと動き出したところです。
人生100年時代が到来すると、これまでの「人生80年時代」から、その人生計画を根本的に見直す必要が出てくるでしょう。
さらにIT化が進み、テクノロジーの進化が著しい時代になれば、社会の流行は数十年ごとに目まぐるしく移り変わり、人々の価値観も特性も大きく変わるでしょう。
これまでは、受験戦争に勝ち抜いて、偏差値の高い大学に入学し、一流といわれる大企業に就職することで、高年収のレールに乗ってしまえば安泰という人生のロールモデルがありましたが、現在は法人よりも個人の寿命のほうが長い時代です。
これまでのような人生計画は、長さにおいても働き方においても意味をなさない時代になると思います。
では、これからの時代、若い世代や現役世代はどのように生きていくべきなのでしょうか。
重要になるのは、「新しい学び方」、そのために心構えを身につけることです。
それと同時に、教える側の保護者や先生にも、「新しい学び方」を伝えるための心構えが必要です。
学ぶための戦術ではなく戦略が重要になるし、そこでは柔軟な思考訓練を常に行っていかなければならないでしょう。
僕自身、研究者として、メディアアーティストとして、経営者として、日々、学び続けています。
また、学生や社員の人材育成について考えたり、さらに父親として子供の家庭教育に関わる中で、どうすれば学び続ける人を育てられるのかについて、考えるようになりました。
多くの学生を指導する中で、また様々な現場を経験する中で気がついたのは、結局、どんな状況にあっても楽しく学び続けられる人、前提を無視し、ストレスを感じず、常に柔らかな跳躍ができる人が強いということです。
人生は学校を卒業してからのほうが長いのです。
そう考えると、学生時代を終えた後も、社会にいながら学び続け、学ぶことをライフスタイルとして、新しい知識を取り込めるか、新しい価値を提供し続けられるかが鍵になるでしょう。
生活の中にどういった学びを取り入れていけるかを常に考えなくてはなりません。
『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる』小学館
本書の中で落合氏は、学校という概念が変わりつつある時代の新しい大学像についてこう語る。
『今、世界中から最も注目を集めている大学の一つ、アメリカのミネルバ大学は、教室を持たず、講義はオンラインで行われています。
その独特な教育理念と、世界7か国のキャンパスを移動して行われるアクロバティックなカリキュラムが特徴の新設大学です。
この大学が目指しているのは、さまざまな課題を解決するために必要な「思考法」を身につけること。
つまり、知識を教えるための大学ではなく、「考え方」を教える大学なのです』
ミネルバ大学は、ハーバード以上の難関大学と言われ、世界のエリートが今一番入りたい大学。
新設大学ながら、初年度には98か国1万1000人以上の応募があり、その合格率は2.8%という狭き門だった。
授業はすべてオンラインで、学生は1年間はサンフランシスコで共同生活をするが、それ以降は半年ごとに、ロンドン、ベルリン、ハイデラバード、ソウル、台北、ブエノスアイレスに移動することにより、人脈や経験を増やしていく(残念ながら日本はパス)。
哲学者ヘーゲルは『法の哲学』の序文で、『ミネルバの梟(ふくろう)は黄昏(たそがれ)に飛び立つ』という有名な言葉を記している。
「ローマ神話の女神ミネルバは、技術や戦の神であり、知性の擬人化と見なされた。
梟はこの女神の聖鳥である。
一つの文明、一つの時代が終わるとき、ミネルバは梟を飛ばした。
それまでの時代がどういう世界であったのか、どうして終わってしまったのか、梟の大きな目で見させて総括させたのだ。
そして、その時代はこういう時代だったから、次の時代はこういうふうに備えよう、と考えた」(『魂の経営』東洋経済新報社)より
今まさに、一つの文明、一つの時代が終わろうとしている。
次の時代に備えるため…
どんな状況にあっても楽しく学び続けられる人でありたい。
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シェアさせていただきました。
押忍
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