今まで自分だと思っていた肉体は、自分ではありゃしない。自分が生きるための必要な仕事を行なう道具なのだ……。
腹が痛いといっても、それは本当からいったら、隣の人の腹痛を見守っているのと同じような気持ちで、自分の腹の痛いのを感じていれば早く治ってしまう。それを自分が腹が痛いと思ってしまうから治るのが遅いのだ。
私が喀血している、私が熱がある、と思っていたがそうじゃあなかった。私の体が蝕まれて血が出たり熱が出たりしたので、それを心が感じて私自身に報告してきただけなのだ。調子が悪いのは道具であって、私自身ではなかったのだ。
腹が痛いといっても、それは本当からいったら、隣の人の腹痛を見守っているのと同じような気持ちで、自分の腹の痛いのを感じていれば早く治ってしまう。それを自分が腹が痛いと思ってしまうから治るのが遅いのだ。
私が喀血している、私が熱がある、と思っていたがそうじゃあなかった。私の体が蝕まれて血が出たり熱が出たりしたので、それを心が感じて私自身に報告してきただけなのだ。調子が悪いのは道具であって、私自身ではなかったのだ。
中村天風
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