レス・ギブリン氏の心に響く言葉より…
人々はあなたをあなた自身の自己評価をもとに判断するだけでなく、あなたが自分の仕事や同業者に対してどういう評価をしているかをもとに判断する。
聖書に「裁かれたくなければ、裁いてはいけない」という教えがある。
これは人間関係に関する名言である。
私たちは何かを裁くたびに、自分を裁くきっかけを他人に与えてしまうのだ。
多くの離婚訴訟を扱う弁護士が、こんなことを言った。
「夫や妻が配偶者のいやな部分について話すたびに、その配偶者よりその人自身の本性があらわになっているように感じる」
つまり、他人についてネガティブな発言をすると、自分について悪い印象を相手に与える結果になるのである。
ニューヨークで職業安定所を営むウォルター・ローウェン所長は、高給が得られる仕事を相談者に紹介することで知られている。
彼は30年以上にわたって実績を上げてきたベテランである。
彼が相談者にアドバイスしていることのひとつは、「新しい雇い主と面談しているときに前の雇い主に対する不満をぶちまけてはいけない」ということだ。
前の雇い主を批判して新しい雇い主に取り入りたくなるのはわからないでもない。
前の職場で不当な扱いを受けたことを愚痴りたくなるのも理解できる。
だが、ローウェン所長は「それは絶対にしてはいけない。不平を言う者を雇いたがる人はいないことを肝に銘じるべきだ」とクギを刺している。
不平を言う人と一緒にいたとき、あなたは不快な気分になったに違いない。
実際、不平不満を並べる人の人望のなさは、誰も知っているとおりだ。
あなたは自分の仕事や職場をどう評価しているだろうか。
仕事先と職場内容を尋ねられたとき、申し訳なさそうに「ええまあ、〇〇銀行で〇〇係として仕方なく働いています」と答えるか、誇らしげに「はい、〇〇銀行という素晴らしい職場で〇〇係として一生懸命働かせてもらっています」と答えるか。
後者の方なら、相手はあなたに好印象を抱くだろう。
出身地を尋ねられたとき、恥ずかしそうに「つまらない田舎の出身です」と答えるか、「〇〇という素晴らしい地域の出身です」と答えるか。
後者の答え方なら、相手はあなたに好印象を抱くだろう。
「上司はダメな人だ」とか「自分のしている仕事はつまらない」などと言うと、聞いている人は「あなたがダメな人だから、ダメな上司の下でつまらない仕事をしているのだ」と思うに違いない。
セールスにたずさわっている人に注意しておこう。
ライバルをおとしめると顧客に嫌われることを知らないセールスマンが多すぎる。
相手に好印象を与えたいなら、ライバル社やライバル社の商品をけなしてはいけない。
そんなことをするのではなく、自社の商品を称賛しよう。
人々はネガティブな話し方を嫌うだけではない。
あなたはネガティブな舞台を設定し、ネガティブな雰囲気をつくっている。
だから見込み客が買ってくれないのだ。
しかも、見込み客は心の中で「ライバル社の商品のほうがいいのではないか。そうでなければ、この人がそれを恐れてこき下ろすはずがない」と勘繰る。
『人望が集まる人の考え方』ディスカヴァー
誰かが、人の悪口を言っているのを聞いて、気分が良くなる人はいない。
それは、脳が主語を理解できないからだ。
「(あの人)大嫌い」と言うのを聞くと、(あの人)という主語が抜けて、「大嫌い」だけが脳に残る。
つまり、まるで自分の悪口を言われているように感じてしまう。
実際、悪口を言う人は、その人だけでなく、他の人の悪口も言う人だから、まわりまわって、いつかは自分も言われるハメになる。
人は、不平や悪口を言う人には、本能的に良い印象を持たない。
その逆に、人から良い印象を持たれるためには、どんなときも、人の心を「あたたくする言葉」、「気持ちよくする言葉」、「幸せにする言葉」、「楽しくなる言葉」を言うことだ。
そして、嫌なことがあったとしても、その中からいいことだけを見つけて、人をほっこりさせることを言う。
「不平を言う者を雇いたがる人はいない」を肝に銘じたい。
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