「我を亡ぼす者は我なり。
人、自らを亡ぼさすんば、
誰かよく之を亡ぼさん」
ローマを亡ぼしたのはローマです。
日本を支えているものは日本です。
健康で生き生きとした人生を送れるかどうかというのも
自分自身にあります。
――『呻吟語を読む』より
この人生において、我われの人格が真に確立し、
最早惑うこともなくなるまでには
到底、自分の独力で為し得られるものではない……
我われは常に権威ある人格、品性、気魄(きはく)、才能に
接触し、誘掖(ゆうえき)され、陶冶(とうや)されて、
初めてようやく、自己を充実し、洗練し、向上させることができる。
この厳粛な事理を閑却(かんきゃく)し、蔑視する者は
必ず人生に退転し、迷惑し、転倒するの愚に終わらねばならない。
――『いかに生くべきか・東洋倫理概論』より
人物学に伴う実践、即ち人物修練の根本的条件は
怯(お)めず臆せず、勇敢に、而(しこう)して
己を空(むな)しうして、
あらゆる人生の経験を嘗(な)め尽くすことであります。
人生の辛苦艱難、喜怒哀楽、利害得失、栄枯盛衰、
そういう人生の事実、生活を勇敢に体験することです。
その体験の中にその信念を生かして行って、
初めて吾々に知行合一的に自己人物を練ることが出来るのであります。
――『経世瑣言・続編』より
安岡正篤
致知出版社様メルマガよりシェアさせていただきました。
押忍
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