ミシェル・ピクマル氏の心に響く言葉より…
ある日、島の反対側に住んでいるという青年が、哲学先生を訪ねてやってきた。
その青年は、この世は悲しみと不正に満ちていると考えていた。
為政者といえば汚職だらけだし、友人には裏切られっぱなし。
幸せはつかんだかと思うとすぐ消えさり、悲しみばかりが重くのしかかる…。
こんな世界に生きていていったい何の意味があるのだろう?
そう悩んでいたのだ。
青年からひとしきり話を聞いた哲学先生は、何やらポケットから取りだしてこう言った。
「これがあればだいじょうぶですよ!
さあ、この眼鏡をかけてごらんなさい。
そうすれば(あなたが望みさえすればすべてが変わる)ということがわかるはずです」
青年はなんだか狐につままれたような思いで家に帰った。
それでも、翌日さっそくその眼鏡をかけてみた。
すると、あきれたことに、それはただのガラスをはめた眼鏡にすぎなかったのだ。
青年は腹をたて、哲学先生のところにどなりこんだ。
「ただのガラスじゃないですか!」
「そうですよ」と先生は答えた。
「いいですか、この世がどう見えるかは、ここにはまっているガラスの問題ではなく、あなたしだいなのです。
あなたが変わらなければこの世も変わりません。
たとえば、ワインの入ったグラスひとつとってみても、まだ半分ワインがあると思うか、もう半分しかないと思うか、それはあなたが決めることでしょう。
雨だといってなげくのか、それとも、これで植物が育つぞと喜ぶのか。
日の光を浴びてうれしいと思うか。
それともまぶしいからといやがるのか…。
結局この世界は、あなたが見るようにしか見えないのです。
その眼鏡をどんな眼鏡にするかはあなたしだい!
灰色の陰鬱(いんうつ)な眼鏡をかけていたいのなら、どうぞご自由に。
でも、それをなげきにここへ来るのは、もうご遠慮願いたいものですな」
『人生を変える3分間の物語』PHP研究所
すべて、この世の現象はその人の見方しだい、考え方しだいで決まる。
幸せだと思うなら、幸せだし、不幸だと思えば不幸だ。
幸せという現象があるのではなく、幸せと感じる人がいるだけだ。
病気の最中にあっても、幸せだと思う人はいるし、不幸せを嘆く人もいる。
つまり、その人がかけている眼鏡によってこの世は変わってくる。
バラ色で明るく見えるのか、灰色で薄暗く見えるのか。
眼鏡のガラスの色は自分で決められる。
日々、幸せが見える眼鏡をかけてくらしたい。
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シェアさせていただきました。
押忍
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