読みにくい古典を読んだり、
和歌を味わったり、詩を作ったりと、
実利につながらない「文学」だけのことを
言うのではありません。
昔から、漢学者に家庭がうまくいっている人は少ないし、
和歌が上手くて商売上手という町人もほとんどいません。
こういうことがあるから、頭のいい農民は
わが子が学問に精を出すのを見て、
身を持ち崩してしまうのではないかと心配するのです。
これらの学問が実利的でなくて、
日常生活の役に立たないという証拠です。
であるなら、専念した方がいいのは
人間の暮らし、日常生活の役に立つ「実学」でしょう。
「いろは」の四七字を習い、
ちゃんとした手紙の書き方、帳簿のつけ方、
そろばんの練習、ハカリの使い方などを心得たとしても、
もっと学ばなければならないことはいくらでもあります。
『学問のすすめ』(福沢諭吉・著、夏川賀央・現代誤訳)
致知出版社様メルマガよりシェアさせて頂きました。
押忍
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