2019年1月4日金曜日

佐藤一斎先生

佐藤一斎が40年の歳月をかけて書き上げた
代表的名著『言志四録』。

最新号では、一斎の玄孫である深尾凱子さんと、
一斎全集の編纂にも携わった疋田啓佑さんが、
『言志四録』への思いを語り合いました。

晩年になるほど一層勉学に励んた一斎。
その一斎が遺した珠玉の名言に学びます。

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疋田 啓佑(福岡女子大学名誉教授)
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深尾 凱子(読売新聞社社友)

※『致知』2019年2月号【最新号】
※特集「気韻生動」P64
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【疋田】
『言志四録』にはいい言葉がたくさんありすぎて、
どれを選ぶかとなるとなかなか難しいところがあるのですが、
私はやはり努力を重ねることの大切さを
説いたものが一番心に響きますね。

私の家には岡田先生からいただいた
「天行健(天行は健なり)」の扁額が掲げられています。

この『易経』の言葉を受けて、一斎は『言志後録』の中で

「自彊(じきょう)息(や)まざるは天の道なり。
 君子の以(な)す所なり」

と述べています。自分で努力することが
君子としての道だというわけです。

また、この年まで生きてきて、
いま心に響く言葉をあえて一つ挙げるとしたら、
『言志耋録』の次の言葉でしょうか。

「居敬(きょけい)の功は、最も慎独(しんどく)に在り。
 人有るを以てこれを敬するは、即ち人無き時に敬せず。
 人無き時に自ら敬するは、即ち人有る時に尤(もっと)も敬す」
 
常に敬に居る修業をするには、
独りを慎む修業をするのが最もよい。
人がいる時にその人に敬意を抱いたり、
慎み深くすることはできるが、
人のいない時にはそうしないことだってある。

独りの時でも敬意を抱き慎み深い人は、
人がいればそれ以上に敬意の心を持って対処するはずである。
独りの時に何を考え、どう行動しているか、
そのことは私自身に対する戒めでもあります。

【深尾】
いまおっしゃった「敬」という言葉は、
『言志四録』に頻繁に出てきますね。敬に関する条はとても多い。

【疋田】
いま索引を見ましたら、
敬についての語は50余箇所に出てきていました。
敬もまた一斎が伝えようとした重要なメッセージなのでしょう。

【深尾】
志の大切さからリーダー論、
健康法まで様々なことを教えてくれる一斎ですが、
『言志耋録』の中で

「人は則ち世に百歳の人なし。
 撰著(せんちょ)以て諸(こ)れを後に遺すに如くは莫し。
 此れ則ち死して死せざるなり」

(人は百歳まで生き延びる者はない。
 ゆえに書物を著述、編集して後世に
 自分の考えを残すのが一番いいことである。
 こうすれば、肉体はなくなっても、
 その人の精神は永久に死なないことになる)

と言っています。

『言志四録』がどのような書物であるのかは、
一斎のこの言葉に言い尽くされているように私は思うのです。

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押忍

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